のが)” の例文
人々は、最早、文芸を読むことによって生活をよくしようなぞという望みを失ったのである。民衆は、この七転八苦の物質的生活の苦悩からのがれんとして、勢い享楽的なものを求める。
大衆文芸作法 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
塵の世のわづらひよりのがれ、理路のむづかしきを辿らで、のびやかなるこころは
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
彼は背後に、附纏つきまとう書斎からの視線をのがれるように急いで中学の門へ這入って行く。そうして、その小さな門をくぐった瞬間から、ともかくあの書斎からつき纏って来たものと別れることが出来た。
冬日記 (新字新仮名) / 原民喜(著)