のが)” の例文
自分の生活、汚れた生活、洗濯しても洗濯甲斐のないやうな生活——その生活からのがれ度い。今まで逢つて居た総ての人達の眼から離れ度い。
百日紅 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
と、忽ち、秋三は安次を世話する種々な煩雑さからのがれようとしていた今迄の気持がなくなって、ただ、勘次の家を一日でも苦しめてみることに興味を持った。
南北 (新字新仮名) / 横光利一(著)
傳吉は聞及び幸ひ上臺のいへ斷絶だんぜつなげく折柄故其男子に傳吉より憑司ひようじが田地の外に若干じやくかんの地をつかはし上臺の家を相續さうぞくなさしめける眞に傳吉が行ひは孝道かうだうと信義との徳にて無實の罪に落入おちいりたるも死をのがれ一生を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)