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取迯
読み方 | 割合 |
とりにが | 50.0% |
とりにげ | 50.0% |
付て見るに
袂の切れてあり
然すれば昨夜の火付は
渠の
業に相違なく
早々召捕給へと申するに粂之進
然らば
取迯さぬ樣
支度せよとて
手配にぞかゝりける喜八は如何に
周章しや昨夜の布子を
呉と聲を
掛しかば喜八ハイと答へて
揚戸を
上る
時袂の
斜に
引裂てあるゆゑ軍平は
眼を
留て見るに
縞柄も昨夜の
布子に
相違なければ
直に召捕んとせしが
取迯しては一大事と
然有ぬ
體にて煙草を
見ながら
如何に
私し事
下部は
致し候へども
取迯など
仕つりし
覺え
御座なく是
迄多く
粂之進方へ女中の
奉公人來り候へども一ヶ月とは
勤めず
何れも
早々に暇を
粂之進は見てハツと思へども
態と何氣なく
那の者は
拙者方にて
取迯致候者と
云乍ら七
助に
向ひ
偖は其方
梅と
密通致し
我が
金子を
奪ひ
迯亡させつるか
憎き
奴今茲に於て
何事をか
云詞を