取迯とりにげ)” の例文
見ながら如何いかわたくし事下部しもべいたし候へども取迯とりにげなどつかまつりしおぼ御座ござなく是まで多く粂之進くめのしん方へ女中の奉公ほうこう人來り候へども一ヶ月とはつとめずいつれも早々さう/\に暇を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
粂之進くめのしんは見てハツと思へどもわざと何氣なくの者は拙者せつしや方にて取迯とりにげいたし候者と云乍いひながら七すけむかさては其方うめ密通みつつういた金子きんすうば迯亡かけおちさせつるかにつくやつ今茲に於て何事なにごとをかいふことば
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
因て勘兵衞の妻お貞は倩々つく/″\考ふるに彼の彌七が取迯とりにげの事より出入となりてをつと勘兵衞殿御仕置しおきとなられしなり彌七が事さへなければ舊惡きうあく露顯ろけんもなすまじきものを如何にも口惜くちをし事哉ことかな此上は彌七を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)