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遁
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にが
ふりがな文庫
“
遁
(
にが
)” の例文
ところが、今朝家人がえさを取り替える際に、ちょっとの不注意で、せっかくのこの楽しみを再び空に
遁
(
にが
)
してしまった。
柿の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
あはれ、殊勝な法師や、
捨身
(
しゃしん
)
の
水行
(
すいぎょう
)
を
修
(
しゅ
)
すると思へば、
蘆
(
あし
)
の
折伏
(
おれふ
)
す
枯草
(
かれくさ
)
の中に
籠
(
かご
)
を
一個
(
ひとつ
)
差置
(
さしお
)
いた。が、
鯉
(
こい
)
を
遁
(
にが
)
した
畚
(
びく
)
でもなく、草を
刈
(
か
)
る
代
(
しろ
)
でもない。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
折からまた、
夏侯惇
(
かこうじゅん
)
その他、曹操幕下の勇将が六人もここへ集まった。——今こそ呂布を
遁
(
にが
)
すなとばかりにである。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
半四郎は振拂ひ
行
(
ゆか
)
んとすれば雲助共は
追取卷
(
おつとりまき
)
どつこい
遁
(
にが
)
して成ものか
此小童
(
このこわつぱ
)
めどうするか見ろ
命
(
いのち
)
惜
(
をし
)
くば
酒代
(
さかて
)
を置て行と
懷
(
ふところ
)
へ手を入れければ
最
(
もう
)
勘忍
(
かんにん
)
はならずと半四郎は其腕を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「今度こそは
遁
(
にが
)
しつこはねえ。路地の中を一軒殘らず洗つて行くのだ」
銭形平次捕物控:214 鼬小僧の正体
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
重「人知れぬ処へ行って
両人
(
りょうにん
)
とも討果すから
袂
(
たもと
)
を押えて
遁
(
にが
)
さぬように」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
……客に接しては、草履を
穿
(
は
)
かない素足は、水のように、段の中途でもう消える。……宵に
鯊
(
はぜ
)
を釣落した苦き経験のある男が、今度は
鱸
(
すずき
)
を水際で
遁
(
にが
)
した。
鷭狩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「綺麗な鳥よ、綺麗ジャノー。」「
遁
(
にが
)
しちゃ
厭
(
いや
)
でございますよ。」「ニガスモンカ。」早く殺さないと肉が落ちると云うので要太郎が鳥の脇腹をつまむと首がぐたりとなった。
脆
(
もろ
)
いもので。
鴫つき
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
お録、下枝をどこへ
遁
(
にが
)
した。と
睨附
(
ねめつ
)
くれば、老婆は驚きたる顔を上げ、「へい、下枝
様
(
さん
)
がどうかなさいましたか、「しらばくれるない。きっと
汝
(
きさま
)
が
遁
(
にが
)
したんだ。 ...
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
立塞
(
たちふさ
)
がるように、しかも、
遁
(
にが
)
すまいとするように、
框
(
かまち
)
一杯にはだかるのである。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
遁
(
にが
)
すなよ。」
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
遁
(
にが
)
すな。」
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
遁
漢検準1級
部首:⾡
13画
“遁”を含む語句
遁出
見遁
遁亡
遁走曲
遁世
遁走
遁辞
火遁
夜遁
遁帰
八門遁甲
出家遁世
遁構
遁失
門遁甲
隠遁者
遁世者
遁口上
遁生菩提
隠遁所
...