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逃
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にが
ふりがな文庫
“
逃
(
にが
)” の例文
阿母さんも居ない
留守
(
るす
)
に兄を
逃
(
にが
)
して遣つては、
何
(
ど
)
んなに阿父さんから
叱
(
しか
)
られるかも知れぬ。貢さんは
躊躇
(
ためら
)
つて
鼻洟
(
はなみづ
)
を
啜
(
すヽ
)
つた。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
すると
中々
(
なか/\
)
放
(
はな
)
さない。どうか、
斯
(
か
)
うか
買
(
か
)
はせて仕舞ふ。
時
(
とき
)
には談判中に
号鐘
(
ベル
)
が
鳴
(
な
)
つて取り
逃
(
にが
)
す事もある。与次郎は
之
(
これ
)
を
時
(
とき
)
利
(
り
)
あらずと号してゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
逃
(
にが
)
したが又儀左衞門殿も
一體
(
いつたい
)
白妙
(
しろたへ
)
が
馴染
(
なじみ
)
の客にて是も其夜白妙を
阿部河原
(
あべがはら
)
まで
追駈
(
おつかけ
)
來られ重五郎と
問答
(
もんだふ
)
中白妙は
船
(
ふね
)
に
飛乘
(
とびのり
)
柴屋寺
(
しばやでら
)
まで參りしなり其後樣子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『さあ、
斯
(
か
)
うなつたら
逃
(
にが
)
す
事
(
こと
)
でないぞ。』と
最早
(
もはや
)
腹
(
はら
)
の
空
(
むな
)
しい
事
(
こと
)
も、
命
(
いのち
)
の
危險
(
あぶない
)
な
事
(
こと
)
も、
悉皆
(
すつかり
)
忘
(
わす
)
れてしまつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
おせんを
首尾
(
しゅび
)
よく
逃
(
にが
)
してやった
雨
(
あめ
)
の
中
(
なか
)
で、
桐油
(
とうゆ
)
から
半分
(
はんぶん
)
顔
(
かお
)
を
出
(
だ
)
した
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
は、
徳太郎
(
とくたろう
)
をからかうようにこういうと、
我
(
わ
)
れとわが
鼻
(
はな
)
の
頭
(
あたま
)
を、二三
度
(
ど
)
平手
(
ひらて
)
で
引
(
ひ
)
ッこすった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
▼ もっと見る
「早く
逃
(
にが
)
して下さい。もし見つかる様なことがあったら、ほんとうに取返しがつかないんだから」
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
唯に戸締りばかりでは無い
外妾
(
かこいもの
)
の腹では不意に旦那が戸を叩けば何所から
逃
(
にが
)
すと云う事までも前以て見込を附て有るのです
夫
(
それ
)
位の見込の附く女で無ければ決して
我
(
わが
)
囲
(
かこ
)
われて居る所へ男を
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
それでは何分ともにと言っている
後
(
うしろ
)
に、一突き不意を
喰
(
くら
)
って倒れた悪者の勘太、我と気がついてまだ遠くは
往
(
ゆ
)
くまい、折角見かけた仕事も玉を
逃
(
にが
)
しちゃア
虻蜂
(
あぶはち
)
とらずで汽車賃の出どこがないと
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
心配
(
しんぱい
)
しないで
呪
(
まじなひ
)
でもして
待
(
ま
)
つが
宜
(
い
)
いさと
慰
(
なぐ
)
さめるやうな
朋輩
(
ほうばい
)
の
口振
(
くちぶり
)
、
力
(
りき
)
ちやんと
違
(
ちが
)
つて
私
(
わた
)
しには
技倆
(
うで
)
が
無
(
な
)
いからね、
一人
(
ひとり
)
でも
逃
(
にが
)
しては
殘念
(
ざんねん
)
さ、
私
(
わた
)
しのやうな
運
(
うん
)
の
惡
(
わ
)
るい
者
(
もの
)
には
呪
(
まじなひ
)
も
何
(
なに
)
も
聞
(
き
)
きはしない
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
番甲
殿
(
との
)
さまの
渡
(
わた
)
らせらるゝまで、
逃
(
にが
)
さぬやうに
護
(
まも
)
ってござれ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「
到頭
(
とうとう
)
逃
(
にが
)
して
了
(
しま
)
った。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
序でに与次郎が、どう
叱
(
しか
)
られたか
聞
(
き
)
いて置きたいのだが、それは婆さんが知らう筈がないし、肝心の与次郎は学校で取り
逃
(
にが
)
して仕舞つたから仕方がない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
つたか今の話しを
聞
(
き
)
きたる
奴
(
やつ
)
は
逃
(
にが
)
しはせぬと
飛掛
(
とびかゝ
)
つて捕る
袂
(
たもと
)
を
振拂
(
ふりはら
)
ひお梅は聲立人殺し人殺しぞと
呼所
(
よぶところ
)
へ昌次郎の
後
(
あと
)
追
(
お
)
うて此所へ來かゝる親上臺は女のさけびごゑを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此時
(
このとき
)
不意
(
ふい
)
に、
波間
(
なみま
)
から
跳
(
をど
)
つて、
艇中
(
ていちう
)
に
飛込
(
とびこ
)
んだ
一尾
(
いつぴき
)
の
小魚
(
こざかな
)
、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
小猫
(
こねこ
)
の
如
(
ごと
)
く
身
(
み
)
を
飜
(
ひるがへ
)
して、
捕
(
と
)
つて
押
(
おさ
)
へた。『に、
逃
(
にが
)
しては。』と
私
(
わたくし
)
も
周章
(
あは
)
てゝ、
其
(
その
)
上
(
うへ
)
に
轉
(
まろ
)
びかゝつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
汝
(
われ
)
が言附けてさせたに
違
(
ちげ
)
えねえ、二人ながら同類だろう、己ア
逃
(
にが
)
さねえぞ
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「両君そりゃひどい、——逃げるなんて、——僕が居るうちは決して
逃
(
にが
)
さない、さあのみたまえ。——いかさま師?——面白い、いかさま面白い。——さあ飲みたまえ」
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
引捕
(
ひきとら
)
へ大事の御預り者
何
(
いづ
)
れへ行るゝやと
咎
(
とが
)
むるにお政は南無三と思ひ無言にて
袖
(
そで
)
振拂
(
ふりはら
)
ひ
駈出
(
かけいだ
)
すをコレ/\
未
(
ま
)
だ
燒
(
やけ
)
ては
來
(
こ
)
ぬぞ
此騷
(
このさわ
)
ぎを幸ひに
逃
(
にげ
)
やうとて
逃
(
にが
)
しはせじと又引止るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
逃
(
にが
)
さないようにいっしょに行って買って貰えと云われたから
先刻
(
さっき
)
からここで待っていたんだって、人の知りもしないのに、一人で勝手な請求を持ち出してなかなか動かない。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一たび機を
失
(
しっ
)
すれば、同じ色は容易に眼には落ちぬ。余が今見上げた山の
端
(
は
)
には、
滅多
(
めった
)
にこの辺で見る事の出来ないほどな
好
(
い
)
い色が
充
(
み
)
ちている。せっかく来て、あれを
逃
(
にが
)
すのは惜しいものだ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
逃
常用漢字
中学
部首:⾡
9画
“逃”を含む語句
逃亡
逃出
逃路
逃去
逃散
逃入
逃避
逃走
取逃
見逃
夜逃
逃帰
逃込
逃失
逃水
逃竄
持逃
逃廻
逃延
逃入村
...