-
トップ
>
-
振拂
踵を
囘してツト
馳出づればお
高走り
寄つて
無言に
引止むる
帶の
端振拂へば
取すがり
突き
放せば
纒ひつき
芳さまお
腹だちは
御尤もなれども
暫時
呼出し小夜衣よりの
言傳と有し
樣子を
物語り文も
爰にとさし出せど手にだに
取ず千太郎は
袖振拂ひ立歸るを
つたか今の話しを
聞きたる
奴は
逃しはせぬと
飛掛つて捕る
袂を
振拂ひお梅は聲立人殺し人殺しぞと
呼所へ昌次郎の
後追うて此所へ來かゝる親上臺は女のさけびごゑを