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振拂
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ふりはら
踵を
囘してツト
馳出づればお
高走り
寄つて
無言に
引止むる
帶の
端振拂へば
取すがり
突き
放せば
纒ひつき
芳さまお
腹だちは
御尤もなれども
暫時
呼出し小夜衣よりの
言傳と有し
樣子を
物語り文も
爰にとさし出せど手にだに
取ず千太郎は
袖振拂ひ立歸るを
つたか今の話しを
聞きたる
奴は
逃しはせぬと
飛掛つて捕る
袂を
振拂ひお梅は聲立人殺し人殺しぞと
呼所へ昌次郎の
後追うて此所へ來かゝる親上臺は女のさけびごゑを
物思ひ
顏の
若者が
襟のあたり
冷いやりとしてハツと
振拂へば
半面を
射る
瓦斯燈の
光蒼白し
引捕へ大事の御預り者
何れへ行るゝやと
咎むるにお政は南無三と思ひ無言にて
袖振拂ひ
駈出すをコレ/\
未だ
燒ては
來ぬぞ
此騷ぎを幸ひに
逃やうとて
逃しはせじと又引止るを
押ゆる
涙袖に
置きてモシと
止めれば
振拂ふ
羽織のすそエヽ
何さるゝ
邪魔くさし
我はお
前さまの
手遊ならずお
伽になるは
嬉しからず
其方は
大家の
娘御暇もあるべしその
日暮しの
身は
時間もを