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苦
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に
ふりがな文庫
“
苦
(
に
)” の例文
小女は
苦
(
に
)
んがりともせずに跟いて來ました。二階の客は四組十人ばかり、二た間の隅々に陣取つて正月氣分もなく靜かに呑んで居ります。
銭形平次捕物控:071 平次屠蘇機嫌
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そして彼の胸中には、事件を解決するたびに経験するあの
苦
(
に
)
が
酸
(
ず
)
っぱい
悒鬱
(
ゆううつ
)
が、また例の調子で
推
(
お
)
し
騰
(
のぼ
)
ってくるのであった。
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
蒔
(
ま
)
くものは、
穫
(
か
)
らざるべからず。今や徳川幕府も、二百年来の悪因果たる鎖国の
苦
(
に
)
がき経験を
嘗
(
な
)
めねばならぬ時とはなれり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
松島の
苦
(
に
)
がり切つたる
容子
(
ようす
)
に、山木は気の毒顔に口を開きつ「——実は、閣下、其れも矢張篠田の奸策で御座りまする」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
苦
(
に
)
がくて飲みにくいから、あの粉を飯粒に交えて幾個かの丸薬にして、それを三回分飲んだ。するとその翌日から発熱をしなかった。瘧は落ちたのである。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
▼ もっと見る
是
(
こ
)
れにても
同胞
(
はらから
)
かと
思
(
おも
)
ふばかりの
相違
(
さうゐ
)
なるに、
怪
(
あや
)
しきは
母君
(
はヽぎみ
)
の
仕向
(
しむけ
)
にて、
流石
(
さすが
)
かるがるしき
下々
(
しも/″\
)
の
目
(
め
)
に
立
(
たち
)
し
分
(
わ
)
け
隔
(
へだ
)
ては
無
(
な
)
けれども、
同
(
おな
)
じ
物言
(
ものい
)
ひの
何處
(
どこ
)
やら
苦
(
に
)
がく
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
文章を書くのは僕にはいつも
苦
(
に
)
が手だ。僕の一番善い友人たちが何年間も、僕からの手紙を一本も受け取らないでいる始末だ。僕は楽譜ばかり書いて暮らしている。
ベートーヴェンの生涯:04 ベートーヴェンの手紙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
、
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
、
フランツ・ゲルハルト・ヴェーゲラー
、
エレオノーレ・フォン・ブロイニング
(著)
自分は今後此立場から大に厭人的の
苦
(
に
)
がい憎悪を吐き散らして呉れようと決心した。
愛人と厭人
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
だが差当っての問題は、この言葉の描き出しているもう一面の
苦
(
に
)
がい真理である。
翻訳の生理・心理
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
その有るかと思えば無く、無いと思えば有る、といった風な、端睨をゆるさぬ、複雑かつ無数の面は、一斉に、これまた濁った低い空のほの明りを、交互に鈍く
苦
(
に
)
がく、照りかえし合っている。
ある偃松の独白
(新字新仮名)
/
中村清太郎
(著)
苦
(
に
)
が笑いしながらとって返すと、血の海の断末魔の悲しい
嘶
(
いなな
)
きをつづけながら、のたうち苦しんでいる愛馬の首を、わが子のようにしッかと抱きかかえて、声も絶え絶えと嘆き悲しんでいた若者へ
旗本退屈男:05 第五話 三河に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
彼にはもう一人
苦
(
に
)
が
手
(
て
)
がある。それは民さんだ。
石ころ路
(新字新仮名)
/
田畑修一郎
(著)
苦
(
に
)
がい蕗のとうを喰うお前らの小さな胸にも
蕗のとうを摘む子供等
(新字新仮名)
/
長沢佑
(著)
舌には
苦
(
に
)
がき
紙筒
(
はやごう
)
を
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
小女は
苦
(
に
)
んがりともせずに
跟
(
つ
)
いて来ました。二階の客は四組十人ばかり、二た間の隅々に陣取って正月気分もなく静かに呑んでおります。
銭形平次捕物控:071 平次屠蘇機嫌
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
船長ノルマンは、
苦
(
に
)
が
虫
(
むし
)
をかみつぶしたようなかおをして、聞いていた。そして竹見の言葉がおわっても、そのまま無言で、竹見をにらみつけていた。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
奥さんは
苦
(
に
)
が笑いをしていた。
石ころ路
(新字新仮名)
/
田畑修一郎
(著)
英米
(
えいべい
)
から売りつけられた
碌
(
ろく
)
に役にもたたない兵器に
懲
(
こ
)
りた経験を思い出し、また
重慶
(
じゅうけい
)
で、しばしば
嘗
(
な
)
めた
不渡手形的援醤宣言
(
ふわたりてがたてきえんしょうせんげん
)
の
苦
(
に
)
が
苦
(
に
)
がしさを想い出し
人造人間戦車の機密:――金博士シリーズ・2――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
寅松の囁くのが聽えない筈はないのですが、當の七兵衞は
苦
(
に
)
んがりともしません。
銭形平次捕物控:212 妹の扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
途端にその背後で例のエヘンという咳払いが聞えたので、署長は急に
苦
(
に
)
が
虫
(
むし
)
を噛みつぶしたような顔になった。
人間灰
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「そうだよ。チーア卿といってな、チャーチル
奴
(
め
)
の特使じゃよ。モヒ中毒を装った
苦
(
に
)
が
苦
(
に
)
がしい男じゃ」
共軛回転弾:――金博士シリーズ・11――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
だが、記者たちは、いずれも困憊し、そしていずれも
苦
(
に
)
が
蟲
(
むし
)
を噛みつぶしたような顔をしていた。
地球発狂事件
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
「殺したばっかりに、こんな一所懸命に器械の真似をせにゃならぬ。その上に
苦
(
に
)
が手の警官までに顔を合わせねばならないじゃないか。何という損なことを私はやってしまったのだろう!」
殺人の涯
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
頭が痛くなることは、頭の大きい醤主席にとっては、
苦
(
に
)
が手であった。
人造人間戦車の機密:――金博士シリーズ・2――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「ふふん。中々口の減らない男だな」と検事は
苦
(
に
)
が
笑
(
わら
)
いをして、「大江山君、その婦人の屍体を早く法医学教室へ送って解剖に附してくれ給え。ことに胃の内容物を検査して貰うんだよ。いいかね」
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
松吉は、
苦
(
に
)
がりきって、ひとりでスタスタと歩きだした。
雷
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼は
苦
(
に
)
が笑いをして、金貨をポケットへしまいこんだ。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
大隅は只
苦
(
に
)
がりきって、ゴロリと畳の上に横になった。
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
課長は
苦
(
に
)
が笑いをした。
キド効果
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“苦”の意味
《名詞》
(ク)苦しいこと、辛いこと
(出典:Wiktionary)
“苦(苦(仏教))”の解説
仏教における苦(く、pi: dukkha、sa: दुःख, duḥkha、蔵: )とは、苦しみや悩み、精神や肉体を悩ませる状態を指す。対義語は楽。
仏教は無常、苦、無我の3つで三相を形成する。四諦の4つすべては苦に関する真理である。仏教は、この苦の滅尽をめざす学問体系である。
(出典:Wikipedia)
苦
常用漢字
小3
部首:⾋
8画
“苦”を含む語句
苦力
苦笑
苦悩
苦悶
苦痛
辛苦
苦情
苦慮
苦患
苦勞
心苦
苦汁
困苦
労苦
苦衷
滅茶苦茶
苦味
苦行
苦役
苦難
...