“いまだかつて”の漢字の書き方と例文
語句割合
未嘗100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僕は当惑とうわくした。考えて見ると、何のためにこの船に乗っているのか、それさえもわからない。まして、ゾイリアなどと云う名前は、未嘗いまだかつて、一度も聞いた事のない名前である。
Mensura Zoili (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
未嘗いまだかつて承り及ばざる所に御座候へば、切支丹宗門の邪法たる儀此一事にても分明ぶんみやう致す可く、別して伴天連当村へ参り候節、春雷頻に震ひ候も、天の彼を憎ませ給ふ所かと推察仕り候。
尾形了斎覚え書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
また時にはいつになっても春を知らない峰を越えて、岩石の間にんでいる大鷲おおわしを射殺しにも行ったりした。が、彼は未嘗いまだかつて、その非凡な膂力りょりょくを尽すべき、手強てごわい相手を見出さなかった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)