なめ)” の例文
熊手をあげてわしが口へやはらかにおしあてる事たび/\也しゆゑ、ありの事をおもひだしなめてみればあまくてすこしにがし。
如何どういうものだか、内でお祖母ばあさんがなめるようにして可愛がって呉れるが、一向嬉しくない。かえっ蒼蠅うるさくなって、出るなとめる袖の下を潜って外へ駈出す。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
その日まで悪だと思っていたものが善となり、その善に対して善を報いなければならなくなる。番犬であって、しかも敵の手をなめる。氷であって、しかも溶解する。
お幸も時子も茂子も小妻も鶴子も、まずそうになめるようにゆる/\と湯気の白くたつ粥をもてあつかっていた。本当に空腹からうまそうに啜っているのは米子と市子の二人の少女のみであった。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
何でも洋装の女より十分間ばかり前に来て、三人でちびちび珈琲をなめていたようです。客が多ければ追い返してやるんでしたけど……それから女が出て行くと直ぐあとから引き上げて行きました。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ちッぽけなむくむくしたのが重なり合って、首をもちゃげて、ミイミイと乳房を探している所へ、親犬が余処よそから帰って来て、其側そのそばへドサリと横になり、片端かたはしから抱え込んでベロベロなめると
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)