“やわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
52.5%
36.3%
7.8%
夜話1.5%
0.5%
柔媚0.5%
柔弱0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、信長は藤吉郎をあごでさして、金ヶ崎の攻撃は意味のない戦だというので——と、ややおもてやわらげて、ありのまま、家康に語った。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
くきは直立して三〇センチメートル内外となり、心臓状円形で葉裏帯紫色の厚いやわらかな全辺葉ぜんぺんよう互生ごせいし、葉柄本ようへいほん托葉たくようそなえている。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
くびったり、つめを切ったり、細かい面倒を見てくれる若い葉子のやわらかい手触りは、ただそれだけですっかり彼女を幸福にしたものだったが
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
どこまでも奇妙な築地夜話やわであった。
東京要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
其れがやわらかな日光にみ、若くは面を吹いて寒からぬ程の微風びふうにソヨぐ時、或は夕雲ゆうぐもかげに青黒くもだす時、花何ものぞと云いたい程美しい。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
七月中旬、梅雨つゆがあけると、真剣に暑くなる。明るい麦が取り去られて、田も畑もみどりに返える。然し其は春暮しゅんぼやわらかな緑では無い、日中は緑のほのおく緑である。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
源次という男は仕事にかけると三丁下りの癖に、口先ばっかりのどこまで柔媚やわいかわからん腹黒男はらぐろぞ。
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
まだ角も生えねえ柔弱やわな奴でしたが、親の恨みは通うものか、朝は早くから野山羊と角押しする、郵便配達を追いかけるワ、橄欖かんらん畑を蹴散らすワ、一心に修業に心を打ち込む有様というものは
あんまり不思議なので上衣のポケットに両手を突込んでみると、右手には新しい四ツ折のハンカチと鼻紙、左手には幾何いくら這入っているかわからないが、やわらかに膨らんだ小さな蟇口がまぐちさわった。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)