“嫩(やわ)” の例文
其れが嫩(やわ)らかな日光に笑(え)み、若くは面を吹いて寒からぬ程の微風(びふう)にソヨぐ時、或は夕雲(ゆうぐも)の翳(かげ)に青黒く黙(もだ)す時、花何ものぞと云いたい程美しい。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
七月中旬、梅雨(つゆ)があけると、真剣に暑くなる。明るい麦が取り去られて、田も畑も緑(みどり)に返える。然し其は春暮(しゅんぼ)の嫩(やわ)らかな緑では無い、日中は緑の焔(ほのお)を吐(は)く緑である。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
ゆさ/\と嫩(やわ)らかな食(く)えそうな若葉をかぶった白樫(しらかし)の瑞枝(みずえ)、杉は灰緑(かいりょく)の海藻(かいそう)めいた新芽(しんめ)を簇立(むらだ)て、赤松(あかまつ)は赭(あか)く黒松(くろまつ)は白っぽい小蝋燭(ころうそく)の様な心芽(しんめ)をつい/\と枝の梢毎(うらごと)に立て
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)