“嫩”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
わか58.3%
ふたば20.8%
やわら12.5%
やわ4.2%
やはら4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、お雪や正太しょうたの細君なぞに比べると、もっとずっとわかい芽が、最早もう彼の周囲まわりに頭を持ち上げて来たことを、めずらしく思った。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
文藝春秋新社は意外にも紳士淑女のたむろするところで、礼節の念はふたばよりかんばしく、かりそめにも筆者に激動を与えるような饒舌をもらさない。
巷談師 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
気軽きがるな落葉木の若葉も美しいが、重々しい常緑樹のがらにないやわらかな若葉をつけた処も中々好い。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
其れがやわらかな日光にみ、若くは面を吹いて寒からぬ程の微風びふうにソヨぐ時、或は夕雲ゆうぐもかげに青黒くもだす時、花何ものぞと云いたい程美しい。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
マロニエの木立こだちが一斉にやはらかい若葉を着けたので、巴里パリイの空の瑠璃るり色のすみ渡つたのに対し全市の空気が明るい緑に一変した。これが欧洲の春なのであらうが僕等には冬からぐに初夏はつなつが来た気がする。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)