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嫩
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わか
ふりがな文庫
“
嫩
(
わか
)” の例文
そして、お雪や
正太
(
しょうた
)
の細君なぞに比べると、もっとずっと
嫩
(
わか
)
い芽が、
最早
(
もう
)
彼の
周囲
(
まわり
)
に頭を持ち上げて来たことを、めずらしく思った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
しかし水際に始めて昨日、今日の
嫩
(
わか
)
い命を托して、
娑婆
(
しゃば
)
の風に薄い顔を
曝
(
さら
)
すうちは銭のごとく細かである。色も全く青いとは云えぬ。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ふつうのあけびの芽だちの茎と
嫩
(
わか
)
き葉とを採り、ゆでてひたし物とし食用にする。これを蒸し乾かしお茶にして飲用する。
アケビ
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
ういういしい
嫩
(
わか
)
葉もろとも、おのおのしたくしてあった、色鮮かに、意匠もとりどりの、しかし揃って
貴
(
あで
)
やかな花冠をかざし列ね、お日様をしたって
ある偃松の独白
(新字新仮名)
/
中村清太郎
(著)
日蔭の窪地にはまだ雪が残っていた。
萌
(
も
)
えだした雑草が路を
塞
(
ふさ
)
いでいた。
嫩
(
わか
)
い木の葉は浅黄色に陽を透していた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
▼ もっと見る
黄の
克
(
か
)
った、明るみのある
嫩
(
わか
)
い緑で、霧の
雫
(
しずく
)
にプラチナのように光った裏葉を翻えしている。
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
「わしが伊丹城の獄中におったとき、あの藤蔓の這っておる高い窓の外から、わしの名を呼んだ者は、そなたではなかったのか、——夏の初め、まだ藤蔓の
嫩
(
わか
)
いころだった」
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
羽前
(
うぜん
)
も
米沢
(
よねざわ
)
あたりはタンポポに近い花の名が別にあって、
嫩
(
わか
)
い葉を食料にする場合ばかり、クジナという語を用いるのである。越後でもグズナは野菜としての蒲公英の名であった。
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
それでもあの崖はほんたうの
嫩
(
わか
)
い緑や、灰いろの芽や、
樺
(
かば
)
の木の青やずゐぶん立派だ。
佐藤箴
(
さとうかん
)
がとなりに並んで歩いてるな。
桜羽場
(
さくらはば
)
が又凝灰岩を拾ったな。
頬
(
ほほ
)
がまっ赤で髪も
赭
(
あか
)
いその小さな子供。
台川
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
草嫩堪
レ
充
レ
茵
草
(
くさ
)
は
嫩
(
わか
)
く
茵
(
しとね
)
に
充
(
あつ
)
るに
堪
(
た
)
う
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
この蓮根のこの細長い部は余りに痩せて居るので食用とするには足らぬのでありますが、しかしその
嫩
(
わか
)
き部を食すればその味がすこぶる宜しい。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
雪国では野菜が
嫩
(
わか
)
く柔かくて、今でも副食用として採取せられる山の青物が多い。
食料名彙
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
それでもあの崖はほんとうの
嫩
(
わか
)
い
緑
(
みどり
)
や、
灰
(
はい
)
いろの
芽
(
め
)
や、
樺
(
かば
)
の木の青やずいぶん
立派
(
りっぱ
)
だ。
佐藤箴
(
さとうかん
)
がとなりに
並
(
なら
)
んで歩いてるな。
桜羽場
(
さくらはば
)
がまた
凝灰岩
(
ぎょうかいがん
)
を
拾
(
ひろ
)
ったな。
頬
(
ほお
)
がまっ
赤
(
か
)
で
髪
(
かみ
)
も
赭
(
あか
)
いその小さな
子供
(
こども
)
。
台川
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
さてこの荑は元来ツバナ(チガヤすなわち白茅の
嫩
(
わか
)
い花穂である。チバナというのが本来の名ですなわち茅花の意である)
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
支那の書物の『救荒本草』には、飢饉の時に際してはその
嫩
(
わか
)
き苗葉を採りゆでて水に浸してその苦味を淘浄し油塩に調えて食する事が書いてある。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
そしてその苗が群集して一処にたくさん生え
嫩
(
わか
)
き
梢
(
すえ
)
を揃えている場合は各株緑葉の中心中心が赤く、紅緑相雑わって映帯し圃中に美観を呈している。
植物一日一題
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
それがなお極く
嫩
(
わか
)
い蕾のときは蕾をもった
幼嫩
(
ようどん
)
な梢が日に向かって多少傾くことがないでもないが、これは他の植物にも見られる普通の向日現象で、なにもヒマワリに限ったことではない。
植物一日一題
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
嫩
漢検1級
部首:⼥
14画
“嫩”を含む語句
嫩葉
嫩芽
柔嫩
嫩江
嫩枝
嫩軍記
幼嫩
嫩草山
嫩草
嫩芽立
叢嫩芽
一谷嫩軍記
嫩蔓
草嫩
江南柳嫩緑
嫩葉曇
稚嫩
嫩若
嫩緑
嫩紅
...