“やはら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヤハラ
語句割合
48.2%
25.5%
10.9%
柔術10.9%
柔軟2.7%
0.9%
谷原0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
咽喉のどから流れるままに口の中で低唱ていしやうしたのであるが、れによつて長吉ちやうきちみがたい心の苦痛が幾分いくぶんやはらげられるやうな心持こゝろもちがした。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
宮はあやぶみつつ彼の顔色をうかがひぬ。常の如く戯るるなるべし。そのおもてやはらぎて一点の怒気だにあらず、むし唇頭くちもとには笑を包めるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「うむ、一しよにしてくろ」とおつたはやはらかにいつた。勘次かんじふたつを等半とうはんぜてそれからまたおほきな南瓜たうなすつばかり土間どまならべた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
文章を書くとふよりは柔術やはらを取りさうな恰好かつかうで、其頃そのころ水蔭亭主人すゐいんていしゆじん名宣なのつてました
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
五月が過ぎ、六月が来て私らの皮膚に柔軟やはらかなネルのにほひがやや熱く感じられるころとなれば、西洋料理店レストラントの白いテエブルクロスの上にも紫の釣鐘草と苦い珈琲コーヒーの時季が来る。
桐の花とカステラ (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
マロニエの木立こだちが一斉にやはらかい若葉を着けたので、巴里パリイの空の瑠璃るり色のすみ渡つたのに対し全市の空気が明るい緑に一変した。これが欧洲の春なのであらうが僕等には冬からぐに初夏はつなつが来た気がする。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
関東で谷地やちという多くの村里は多分阿原と同類の地名である。東京の近くでは北豊島郡石神井しゃくじい村大字谷原やはら、新高野山があるために人がよく知っている。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)