“やわらか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
52.6%
35.1%
柔軟6.1%
1.8%
0.9%
柔和0.9%
柔嫩0.9%
軟耎0.9%
0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
御骨は、沼の縁にやわらかな泥の中にありましたって、どこも不足しないで、手足も頭もつながって、膝をかがめるようにしていたんだそうです。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
水がやわらかに綺麗で、ながれが優しく、瀬も荒れないというので、——昔の人の心であろう——名の上へ女をつけて呼んだ川には、不思議である。
絵本の春 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
イギリス旦那マスターの「文明履物かわぐつ」のようなチョコレート色の皮膚と、象牙ぞうげの眼と、蝋引ろうびきの歯、護謨ごむ細工のように柔軟やわらかな弾力に富む彼女らの yoni とは
ヤトラカン・サミ博士の椅子 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
あのしなやかなる黒髪引詰ひきつめに結うて、はらわた見えたるぼろ畳の上に、香露こうろなかばたまなおやわらか細軟きゃしゃ身体からだいといもせず、なよやかにおとなしくすわりてる事か、人情なしの七蔵め
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
女はただやわらかに随ひて貞信に情ふかく静なるをよしとす。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
と云いながら、雲は無いがなんとなく不透明ふとうめいな白みを持っている柔和やわらかな青い色のそらを、じーっとながめた。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そして、深い溜息ためいきを吐いた。常識と同情とに富んだこの青年の柔嫩やわらかな眼は自然おのずと涙をたたえた。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
もし我が父の知ることもやと例の密室に至りてこのよしを述べけるに、そは難渋むつかしきことにあらず、軟耎やわらかにしてこまかきものを蛇に近づけてそのさわぐを雄と知り、静かなるを雌と知るべしと教へければ
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
一 嫉妬の心努〻ゆめゆめおこすべからず。男婬乱なればいさむべし。いかりうらむべからず。ねたみ甚しければ其気色言葉も恐敷すさまじくして、却て夫にうとまれ見限らるゝ物なり。若し夫不義あやまちあらば我色をやわらげ声をやわらかにして諫べし。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)