やわらか)” の例文
今迄薄暗かった空はほのぼのとしらみかかって、やわらか羽毛はねを散らしたような雲が一杯に棚引き、灰色の暗霧もやは空へ空へと晴て行く。
あのしなやかなる黒髪引詰ひきつめに結うて、はらわた見えたるぼろ畳の上に、香露こうろなかばたまなおやわらか細軟きゃしゃ身体からだいといもせず、なよやかにおとなしくすわりてる事か、人情なしの七蔵め
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)