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滑
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なめら
ふりがな文庫
“
滑
(
なめら
)” の例文
睡魔の
妖腕
(
ようわん
)
をかりて、ありとある実相の角度を
滑
(
なめら
)
かにすると共に、かく
和
(
やわ
)
らげられたる
乾坤
(
けんこん
)
に、われからと
微
(
かす
)
かに
鈍
(
にぶ
)
き脈を通わせる。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そんなことを寝たまま考えて居るうちに、いつか下の方でも起き出した気配で、
滑
(
なめら
)
かな優しい此の土地特有の女達の言葉が聞えて来た。
雨の宿
(新字新仮名)
/
岩本素白
(著)
それ故錐が鋭利といふわけではないけれど、錐の外面は常に光を放つて極めて
滑
(
なめら
)
かであつた。何十枚の紙も
容易
(
たやす
)
く突き通されたのである。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
『まだ
聞
(
き
)
きたい。
御身
(
おみ
)
が
作
(
さく
)
の
其
(
そ
)
の
膚
(
はだ
)
は
滑
(
なめら
)
かぢやらう。が、
肉
(
にく
)
はあるか、
手
(
て
)
に
触
(
ふ
)
れて
暖味
(
あたゝかみ
)
があるか、
木像
(
もくざう
)
の
身
(
み
)
は
冷
(
つめ
)
たうないか。』
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
なしお
待遊
(
まちあそ
)
ばせよと
待遇
(
もてなし
)
ぶり
詞
(
ことば
)
滑
(
なめら
)
かの
人
(
ひと
)
とて
中々
(
なか/\
)
に
歸
(
かへ
)
しもせず
枝
(
えだ
)
に
枝
(
えだ
)
そふ
物
(
もの
)
がたり
花子
(
はなこ
)
いとゞ
眞面目
(
まじめ
)
になりて
斯
(
か
)
う
申
(
まを
)
してはを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
おときも、初茸の
淡
(
あわ
)
い香、
滑
(
なめら
)
かなようでしゃきしゃきする歯ざわり、
噛
(
か
)
みしめるとどこかに土のつめたさを含む味をほめた。
果樹
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
が、一度近づいて見ては、その
滑
(
なめら
)
かな美しい肌の下に、ぱつちりとした黒味勝の眼の底の、温かい心を感ぜずには居られぬ。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
墓地を抜けると、一歩一歩眼界が拡がって、
冴
(
さ
)
えた朝日は
滑
(
なめら
)
かな海を明るく照らしていたが、咋夕の不快な記憶が彼れの頭から消えなかった。
入江のほとり
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
ここでも仕事は手をぬいたものが少くありません。しかし葛は
滑
(
なめら
)
かで
塵
(
ちり
)
を
止
(
とど
)
めませんから、襖地としての需用は長く続くことでありましょう。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
かの兼好法師に「白うるり」と書き伝えられたなにがしの僧と同じように、清く美しく
滑
(
なめら
)
かに輝いた顔の持ち主であった。
小坂部姫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
屋根の上の
滑
(
なめら
)
かな白い雪の蒲団と、地面の上のやや
汚
(
よご
)
れた雪とに対照して、家の正面は可なり黒く、窓は一層黒く見えた。
クリスマス・カロル
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
あきらめはこの女の最も多く経験している心的作用で、かれの精神はこの方角へなら、油をさした機関のように、
滑
(
なめら
)
かに働く習慣になっている。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
ロミオ
此
(
この
)
賤
(
いや
)
しい
手
(
て
)
で
尊
(
たふと
)
い
御堂
(
みだう
)
を
汚
(
けが
)
したを
罪
(
つみ
)
とあらば、
面
(
かほ
)
を
赧
(
あか
)
うした
二人
(
ふたり
)
の
巡禮
(
じゅんれい
)
、
此
(
この
)
唇
(
くちびる
)
めの
接觸
(
キッス
)
を
以
(
もっ
)
て、
粗
(
あら
)
い
手
(
て
)
の
穢
(
よご
)
した
痕
(
あと
)
を
滑
(
なめら
)
かに
淨
(
きよ
)
めませう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
唄でも
謡
(
うた
)
ふ時は
鶯
(
うぐひす
)
のやうに
滑
(
なめら
)
かだが
談話
(
はなし
)
をすると
曳臼
(
ひきうす
)
のやうな平べつたい声をするのは、咽喉を病んでゐる証拠ださうだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
広間の
燈影
(
ひかげ
)
は入口に立てる
三人
(
みたり
)
の姿を
鮮
(
あざや
)
かに照せり。色白の
小
(
ちひさ
)
き内儀の口は
疳
(
かん
)
の為に
引歪
(
ひきゆが
)
みて、その夫の
額際
(
ひたひぎは
)
より
赭禿
(
あかは
)
げたる
頭顱
(
つむり
)
は
滑
(
なめら
)
かに光れり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
もと/\
山
(
やま
)
には、
高
(
たか
)
い
山
(
やま
)
、
低
(
ひく
)
い
山
(
やま
)
、
滑
(
なめら
)
かな
山
(
やま
)
、
嶮
(
けは
)
しい
山
(
やま
)
とさま/″\ありますが、
日本
(
につぽん
)
でも、どれにも、はじめは、
自然
(
しぜん
)
に
木
(
き
)
が
茂
(
しげ
)
つてゐたのです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
滑
(
なめら
)
かな
上方弁
(
かみがたべん
)
の会話が、
纏綿
(
てんめん
)
として進行する間に、かちゃかちゃ云うフォオクの音が、しきりなく耳にはいって来た。
西郷隆盛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そしてクリストフの室にはいりかけると、自分の素足の
蹠
(
あしのうら
)
に、いつもの
滑
(
なめら
)
かな冷たい床板の感触ではなしに、柔らかにつぶれる生暖かい
塵
(
ちり
)
を感じた。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
それらの
斧
(
をの
)
には
横側
(
よこがは
)
に
刳
(
ゑぐ
)
りを
入
(
い
)
れたものが
多
(
おほ
)
いのであります。これらの
石斧
(
せきふ
)
は
皆
(
みな
)
よく
磨
(
みが
)
いて
滑
(
なめら
)
かに
光
(
ひか
)
るように
出來
(
でき
)
て、
非常
(
ひじよう
)
に
精巧
(
せいこう
)
な
造
(
つく
)
り
方
(
かた
)
であります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
すべては
滑
(
なめら
)
かに、多少の
喧噪
(
けんそう
)
があったにしても根本においては何事も起らなかったかのように取り行なわれた。
生存理由としての哲学:――哲学界に与うる書――
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
それは
即
(
すなわ
)
ち瓦斯の栓をもっと
緩
(
ゆる
)
くしておくことです。彼は
或
(
あ
)
る日、細君が昼寝をしている時にこっそりとその栓へ油を差して其処を
滑
(
なめら
)
かにしておきました。
途上
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
私はその多少、オランダ風の
屋台店
(
やたいみせ
)
の前へ立って、その金色の球の
滑
(
なめら
)
かな運動の美しさに
見惚
(
みと
)
れたものである。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
弦之丞は少し
退
(
さが
)
って、その診察の
手際
(
てぎわ
)
を眺めていたが、女の後ろ形が、極めて痩せていることから眼をみはって、帯つきや肩の線や、
瑇瑁
(
たいまい
)
の
笄
(
こうがい
)
の
滑
(
なめら
)
かさや
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
歌であるが故に、人々口より口に伝えて事実が永く
後昆
(
こうこん
)
に伝わるものである。歌声の
滑
(
なめら
)
かに揚る処には自然に多く人が集る。即ちこれは社会的のものである。
婦人問題解決の急務
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
ここでは、何もかもが「完成せる社会制度上の定律」によって、工場の調べ革のように
滑
(
なめら
)
かに運転するのだ。
踊る地平線:02 テムズに聴く
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
滑
(
なめら
)
かな石の上に折重ねて小さな
槌
(
つち
)
でコンコン
叩
(
たた
)
いてくれたりした、その白い新鮮な感じのする足袋の
綴
(
と
)
じ紙を引き切って、甲高な、
不恰好
(
ぶかっこう
)
な足に
宛行
(
あてが
)
って見た。
足袋
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
敷石道の左右は驚くほど平かであって、
珠
(
たま
)
の如く
滑
(
なめら
)
かな粒の揃った小石を敷き、正方形に玉垣を以て限られた隅々に
銅
(
あかがね
)
の燈籠を数えきれぬほど整列さしてある。
霊廟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そこの、寄木細工の
滑
(
なめら
)
かな床の上を、樹の肌を
叩
(
たた
)
いている無数の
啄木鳥
(
きつつき
)
のように、コツコツコツコツと、不思議なリズムをなして、私達の靴音が走っています。
覆面の舞踏者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そうして多少得意になったらしく、今迄より一層
滑
(
なめら
)
かに、原稿でも読むようにスラスラと言葉を続けた。
一足お先に
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
鰻
(
うなぎ
)
の腹のような
靭
(
つよ
)
い
滑
(
なめら
)
かさと、羊皮紙のような神秘な白い色とが、柚木の感覚にいつまでも残った。
老妓抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
二つ三つ
咽
(
むせ
)
ぶように深い息を吸い込んだりする。牛糞みたいな乳房が垂れ下がり、
黝
(
くろ
)
ずんだ
裳
(
チマ
)
の裾から両足はぐんなりと投げ出され、その肩は
滑
(
なめら
)
かな弧を描いていた。
土城廊
(新字新仮名)
/
金史良
(著)
そして最初に
滑
(
なめら
)
かそうな処を
撰
(
えら
)
んで本という字を懸命に書いてみた。
草履
(
ぞうり
)
は
拭物
(
ふきもの
)
の代りをした。彼は短い白墨が
磨
(
す
)
り
減
(
へ
)
って来ると
上目
(
うわめ
)
をつかって、暫く空を見ていてから
火
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
この
流下
(
りゆうか
)
の
際
(
さい
)
なほ
多量
(
たりよう
)
の
蒸氣
(
じようき
)
を
吐
(
は
)
き
出
(
だ
)
しつゝあると、こーくすのような
粗面
(
そめん
)
の
鎔岩
(
ようがん
)
となるが、もし
蒸氣
(
じようき
)
が
大抵
(
たいてい
)
吐
(
は
)
き
出
(
だ
)
されてしまつた
後
(
のち
)
ならば、
表面
(
ひようめん
)
が
多少
(
たしよう
)
滑
(
なめら
)
かに
固
(
かた
)
まり
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
俄
(
にはか
)
に
空洞
(
からり
)
とした
燒趾
(
やけあと
)
を
限
(
かぎ
)
つて
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る
後
(
うしろ
)
の
林
(
はやし
)
の
竹
(
たけ
)
は
外側
(
そとがは
)
がぐるりと
枯
(
か
)
れて、
焦
(
こ
)
げた
枝
(
えだ
)
が
青
(
あを
)
い
枝
(
えだ
)
を
掩
(
おほ
)
うて
幹
(
みき
)
は
火
(
ひ
)
の
近
(
ちか
)
かつた
部分
(
ぶゞん
)
は
油
(
あぶら
)
を
吹
(
ふ
)
いてきら/\と
滑
(
なめら
)
かに
變
(
かは
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
昼
猶
(
なお
)
闇
(
くら
)
き杉の並木、羊腸の小径は苔
滑
(
なめら
)
か、一夫関に当るや万夫も開くなし、天下に旅する剛毅の
武夫
(
もののふ
)
、大刀腰に足駄がけ、八里の岩ね踏み鳴す、
斯
(
か
)
くこそありしか往時の武夫
箱根の山
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
硅藻の事を俗にアカと申しますが一番上等なのは極くの清流に大きなカブラ岩が沢山あってその岩が極く緻密な質で
滑
(
なめら
)
かだと青アカといって極く細かい
柔
(
やわらか
)
い硅藻が附きます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
滑
(
なめら
)
かに、うるおいながら、湖面を音もなく、誰も押す人もなく、さえぎる人もないままに、ゆっくりと、心ゆくばかり漂い行くわが舟の
舳先
(
へさき
)
を、われと見送っているうちに
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
海には大きな
滑
(
なめら
)
かなうねりがあった。風は南からむらなくそよそよと吹いていたので、風と潮流とには喰違いがなく、大浪はぐうっと高まってはまた砕けずに下って行った。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
一首の意は、この河の
辺
(
ほとり
)
の多くの巌には少しも草の生えることがなく、
綺麗
(
きれい
)
で
滑
(
なめら
)
かである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
先づ底面を作り其上に紐形にしたる土を乘せ、
周圍
(
しうゐ
)
に
添
(
そ
)
ふて之を段々に螺旋状に
積
(
つ
)
み上げ、内外兩面を
滑
(
なめら
)
かに
擦
(
す
)
りて全形を仕上げ、後種々の裝飾を
施
(
ほどこ
)
して
火
(
ひ
)
に
掛
(
か
)
けたるならん。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
私は指先に石の冷たさ、
滑
(
なめら
)
かさ、硬さ、多少の重さをおぼえながら時に弱く、時に強く盤上に打下す。胸のすく音、はねかえる響。そして時どき冷えた指をかたわらの火鉢にかざす。
独り碁
(新字新仮名)
/
中勘助
(著)
こゝには
象
(
かた
)
も
文
(
あや
)
もみえず、岸も路も
滑
(
なめら
)
かにみえて薄黒き石の色のみあらはる 七—九
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
そう
言
(
い
)
って
母親
(
ははおや
)
は
子家鴨
(
こあひる
)
の
頸
(
くび
)
を
撫
(
な
)
で、
羽
(
はね
)
を
滑
(
なめら
)
かに
平
(
たい
)
らにしてやりました。そして
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
滑
(
すべ
)
つた音と「今になつてチエ、何と云ふことをして呉れるんだ」といふ叫びと
倒
(
たふ
)
れる物音が私の注意を惹いた。人も馬も倒れてゐた。彼等は土手道を
滑
(
なめら
)
かに固めた氷の上で滑つたのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
もし人が神の怒りにふれるようなことがあると、その家はきっと不思議なことがあって蛙がたくさんきて
几
(
つくえ
)
や
榻
(
ねだい
)
であそんだり、ひどいのになると
滑
(
なめら
)
かな壁を這いあがったが
堕
(
お
)
ちなかった。
青蛙神
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
やや遠くで
錚々
(
ちりちり
)
と鳴る発車の
電鈴
(
ソンネット
)
、車掌の呼び子、機関車がどしんと重く客車の緩衝機に突きあたったかと思うと、列車は
滑
(
なめら
)
かに
昇降場
(
ケエ
)
をすべり出し、貨物倉庫や車輛のそばをすり抜け
ノンシャラン道中記:03 謝肉祭の支那服 ――地中海避寒地の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
知りません。しかし私自身では、
丁度
(
ちょうど
)
限りない真理の大洋が横たわっている前で、浜辺に
滑
(
なめら
)
かな小石や美しい貝殻を拾って楽しげに遊んでいる一人の
小児
(
しょうに
)
のようにしか思われないのです。
ニュートン
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
片側は
滑
(
なめら
)
かであるが、裏側はずいぶんざらざらして
荒筵
(
あらむしろ
)
のような
縞目
(
しまめ
)
が目立って見える。しかし日光に透かして見るとこれとはまた独立な、もっと細かく規則正しい
簾
(
すだれ
)
のような縞目が見える。
浅草紙
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「わッはは。俄か坊主、
唐瓜
(
とうがん
)
頭が青々と致して
滑
(
なめら
)
かよ喃。風を引くまいぞ」
旗本退屈男:08 第八話 日光に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
美しい婦人達の大理石の様な
滑
(
なめら
)
かな手で、蛇の様に重みのある
縮緬地
(
ちりめんじ
)
が引揚げられたり、ぬらぬらと滑り落ちて
蜷局
(
とぐろ
)
を巻いたりして、次から次へと婦人達の貪る様な眼で検閲されて居るのである。
偽刑事
(新字新仮名)
/
川田功
(著)
滑
常用漢字
中学
部首:⽔
13画
“滑”を含む語句
滑稽
滑々
滑車
滑川
上滑
滑石
円滑
滑走
滑稽談
滑脱
潤滑油
滑稽感
狡滑
地滑
氷滑
滑稽雑談
滑稽納所
滑稽劇
滑落
滑稽的
...