足袋たび
「比佐さんも好いけれど、アスが太過ぎる……」 仙台名影町の吉田屋という旅人宿兼下宿の奥二階で、そこからある学校へ通っている年の若い教師の客をつかまえて、頬辺の紅い宿の娘がそんなことを言って笑った。シとスと取違えた訛のある仙台弁で。 この田舎 …