“几”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つくえ74.2%
12.9%
おしまずき6.5%
つくゑ3.2%
ツクエ3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
主人は窓の隙からそっと覗いてみると、つくえのそばには二本の大きい蝋燭を立てて、緋の着物の人が几に倚りかかって書物を読んでいた。
けたたましい動物のさけびと共にいからしてんで来た青年と、圜冠句履えんかんこうりゆるけつを帯びてった温顔の孔子との間に、問答が始まる。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
一抱えに余る柱を立て並べて造った大廈おおいえの奥深い広間に一間四方の炉を切らせて、炭火がおこしてある。その向うにしとねを三枚かさねて敷いて、山椒大夫はおしまずきにもたれている。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
訳者の名は全然不明である。この夏、北京ペキン八大胡同はちだいことうへ行つた時、或清吟小班せいぎんせうはんの妓のつくゑに、漢訳のバイブルがあるのを見た。天路歴程の読者の中にも、あんな麗人があつたかも知れない。
本の事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
佻易チョウイニシテ威ナク、音楽ヲ好ミ、倡優ショウユウカタワラに在リ、被服軽絹ケイケン、常ニ手巾シュキン細物サイブツヲ入レタル小嚢コブクロヲ懸ケ、人ト語ルニハ戯弄ギロウ多ク、ヨロコンデ大笑スルトキハ、頭ヲツクエニ没スルマデニ至リ
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)