“見廻:みまわ” の例文
“見廻:みまわ”を含む作品の著者(上位)作品数
岡本かの子6
海野十三6
幸田露伴3
田中貢太郎3
太宰治2
“見廻:みまわ”を含む作品のジャンル比率
文学 > ドイツ文学 > その他のゲルマン文学(児童)15.4%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)1.0%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.8%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
すると春重はるしげは、きょろりとあたり見廻みまわしてから、にわかくびだけまえ突出つきだした。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
「はてな、今日はもうだれほかの蟹が来たかしら?」と、見廻みまわしてみても、他に蟹は一ぴきもおりません。
椰子蟹 (新字新仮名) / 宮原晃一郎(著)
画家。(驚きて四辺あたり見廻みまわす。画室のちり一本もなきように綺麗に掃除しあるに心付く。)うむ、なるほど。
「そう。これがそんなにあなたに気に入って?」お宮は乳のまわりを見廻みまわしながらそういって、柳沢の方を見守りつつ、
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
二人が門へはいった時、省作はまだ二人の来たのも気づかず、しきりに本堂の周囲を見廻みまわし堂の様子を眺めておった。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
それはさておき、一同がおとし穴に気をとられているとき、キョロキョロとあたりを見廻みまわしていた牛丸平太郎が、突然とつぜん
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それは夜の九時過ぎまでも明るい欧洲の夏の夕暮に似ていると、かの女はあたりを珍しがりながら、見廻みまわしている。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
殊更うれいを含む工合ぐあい凄味すごみあるに総毛立そうけだちながらなおくそこら見廻みまわせば
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その時の私がもしこの驚きをもって、もう一返いっぺん彼の口にした覚悟の内容を公平に見廻みまわしたらば、まだよかったかも知れません。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あかり煌々こうこうと照り輝く座敷の中に立ち、あたりを見廻みまわすと、逸子も久振りに気も晴々となった。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
わたくしは雛妓おしゃくに訳をざっと説明してから家の中を見廻みまわして、「ですからここは借家よ」と言った。
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
五郎 常はさびしき山里の、今宵は何とやらん物さわがしく、事ありげにも覚ゆるぞ。念のために川の上下かみしもを一わたり見廻みまわろうか。
修禅寺物語 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
じっとたたみうえ見詰みつめているおせんは、たじろぐように周囲しゅうい見廻みまわした。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
今まで無邪気に天空で戯れていた少年が人のいない周囲を見廻みまわし、ふと下をのぞいたときの、泣きだしそうな孤独な恐怖がれていた。
微笑 (新字新仮名) / 横光利一(著)
そのうちに十二月はすぐ尽きて翌年の正月となった。その正月の五日の晩、六郎は平生いつものように右大将家の寝所の周囲を見廻みまわっていた。
頼朝の最後 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「何にしようか」と見廻みまわすと、いろいろなものの名前を書いた白い紙片が、たくさんぶら下っていた。
寺田先生と銀座 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
ことにへやうち見廻みまわして母の影が見えないと、父は必ず「おみつは」と聞いた。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
少年せうねんまぶたをこすりつゝ、悄然しようぜんていなか見廻みまわした。
室内は明るくなった。一同はこぶしを固く握って、きょろきょろと各自のまわりを見廻みまわした。
四次元漂流 (新字新仮名) / 海野十三(著)
まあどんなにかなしかつたらう、いま一片いつぺんのパンも一塊いつくわいにくもなきこのみじめな艇中ていちう見廻みまわして
余は今車の上から見廻みまわして、当年のわびしい記憶を喚起よびおこそうとしたが、明治四十三年の旭川から七年前の旭川を見出すことは成功しなかった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
猟人「たしかこの辺へ逃込んだがなあ」(独語ひとりごとをしながら四辺あたり見廻みまわす)
(新字新仮名) / 竹久夢二(著)
二人は、うれしそうに、あたりを見廻みまわしていたが、そのうちに二人の視線が、ぱっと合った。
地底戦車の怪人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「みんな、この子と仲好くしてやって下さいね」かの女はグループを見廻みまわしてそういった。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
アリョーシャはあたりを見廻みまわした。それから眼をとても大きくして、彼の耳にささやいた。
小波瀾 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
同時に彼は物を落して驚いたようなふうをして、その四辺あたりをきょろきょろと見廻みまわし、やっとそれを敷石の上に見つけたようにして急いで拾った。
指環 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
役員のひとりで、豪放磊落ごうほうらいらくなG博士が肩幅かたはばの広い身体からだをゆすりあげ、設けの席につくと、みんなをずっと見廻みまわしたのち、
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
しかし雛妓にはそんな様子もなくて、頻りに家の中を見廻みまわして、くくみ笑いをしながら、
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
蟹はふしぎそうに見廻みまわしますと、そこに一本の樹があって、それに実がなっております。
椰子蟹 (新字新仮名) / 宮原晃一郎(著)
と、燃えあがる火光をたよりに、あたりを見廻みまわしたが、通信兵の姿は、見えなかった。
二、〇〇〇年戦争 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そのうちに彼の一人が子路の服装ふくそうをじろじろ見廻みまわし、やあ、これが儒服というやつか? 随分ずいぶんみすぼらしいなりだな、と言った。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
それを聞くと、川手氏はおびえたように、キョロキョロとあたりを見廻みまわした。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
咆哮ほうこうし終ってマットン博士は卓を打ち式場を見廻みまわしました。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
相手の女中は、彼女自身ゾッとした様に、薄暗い廊下の隅を見廻みまわした。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「政に見てもらったがな」わしは一同の顔を、ずッと見廻みまわした。
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)
胆潰きもつぶれたれど心をしずめ静かにあたりを見廻みまわすに、流しもとの水口の穴より狐のごとき物あり、つらをさし入れてしきりに死人の方を見つめていたり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
一心に沖を見ていた為吉は、ふと心づいてあたりを見廻みまわしました。
少年と海 (新字新仮名) / 加能作次郎(著)
子供はじぶんの周囲を一わたり見廻みまわしてから益雄の顔を見た。
草藪の中 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
あたりを見廻みまわすと、幸い、とまで四方を包んだ船がある。
鯉魚 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
若い大工がかなづちをこしにはさんで、もっともらしい顔をして庭のへいや屋根を見廻みまわっていたがね、本当はやっこさん、僕たちの馳けまわるのが大変面白かったようだよ。
風野又三郎 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
美しいポインタァ種の黒犬で、家の人が見廻みまわりして来いと云えば、直ぐ立って家の周囲まわりを巡視し、夜中警報でもある時は吾体を雨戸にぶちつけて家の人に知らす程怜悧の犬であった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
社員ラームは、まわりの同僚のかおを、ずっと見廻みまわした。
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ふと年少らしい芸妓が、部屋の上下周囲を見廻みまわしながら
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
むかし、松前まつまえの国の浦奉行うらぶぎょう中堂金内ちゅうどうこんないとて勇あり胆あり、しかも生れつき実直の中年の武士、るとしの冬、お役目にて松前の浦々を見廻みまわ
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
ええびとは「歩み」というほどの意味で、つまりここでは散歩と解釈してもいいだろう。男はそう答えながら、ぶらぶらと、老百姓が田を見廻みまわってでもいるかのように、暢気そうに歩きだした。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
あまり泣くのをみている内、なにか、ホッとする気持になり、左右を見廻みまわすと、大抵たいていの選手達が、だれでも一人は、若い女のひとに来てもらっている、花やかさに見えました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
うでを額にかざして、空の雲気を見廻みまわした。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
外套から、手首から、ひじの辺まで水だらけになって、漸く雷門へ来た私は、雨中にしょんぼり立ち止りながらアーク燈の光を透かして、四辺あたり見廻みまわしたが、一つも人影は見えない。
秘密 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
なんのためだか知らないが僕はあっちこちを見廻みまわしてから、誰も見ていないなと思うと、手早くその箱の蓋を開けて藍と洋紅との二色ふたいろを取上げるが早いかポッケットの中に押込みました。
一房の葡萄 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
川北先生はその間、部屋をぐるぐる見廻みまわしていた。
四次元漂流 (新字新仮名) / 海野十三(著)
やな見廻みまわつて口笛吹くや高嶺晴たかねばれ
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
みせへの見廻みまわり、法用はうようのあれこれ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今少し前に巡査がきまして牛舎を見廻みまわりました。
牛舎の日記 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
ことに今、母はお浪の源三を連れて帰って来たのを見て、わたしはちょいと見廻みまわって来るからと云って、少しはなれたところに建ててある養蚕所ようさんじょ監視みまわりに出て行ったので
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
翌日よくじつ私は早く見廻みまわりに出かけた。
あの火事があってから、お母さまは、夜中に時たまうめかれる事があるし、また、風の強い夜などは、お手洗いにおいでになる振りをして、深夜いくどもお床から脱けて家中をお見廻みまわりになるのである。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
くつを下駄にはきかえて牛舎を見廻みまわった。
牛舎の日記 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
御寝なされる時刻と、お起き遊ばされるお時刻とに……そうでございます、べつにお変りもございませんが、何時いつかこの二日三日前、周防様すおうさまと二人で、こく過ぎ、お廊下を見廻みまわっておりますと
頼朝の最後 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そのお堂の縁の下にお盆くらいの大きさの平たい石があるのですが、その石の下にです、れいの茶壺を埋めて置いて、朝から日の暮れるまでに三度、夜寝る前に一度、日に都合四度ずつ竹のつえをついて庭を見廻みまわる振りをして
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
座談会の例の一言に、河田だか、田村だか、井上だか、ふきだして、これはすごいね、このままケズらず載せたものかね、と見廻みまわすと、真杉静枝が間髪かんはつれず、ケズることないわ、ホントにそう言ったのですもの、と叫んだ。
二十七歳 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
何時間なんじかんかじっとすわって様子ようすていましたが、それからあたりを丁寧ていねいにもう一ぺん見廻みまわしたのちやっとあがって、今度こんど非常ひじょうはやさでしました。
と、おばあさんは部屋中へやじゅう見廻みまわしていましたが、がぼんやりしているものですから、子家鴨こあひるがついたとき、それを、どこかのうちからまよってた、よくふとった家鴨あひるだとおもってしまいました。
まさかオンバコやスギ菜を取って食わせる訳にもゆかず、せめてスカンポか茅花つばなでも無いかと思っても見当らず、茗荷みょうがぐらいは有りそうなものと思ってもそれも無し、山椒さんしょでも有ったらだけでもよいがと、くるしみながら四方あたり見廻みまわしても何も無かった。
野道 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)