環視みまわ)” の例文
ト言い懸けて敢て言い詰めず、宛然さながら何か捜索さがしでもするように愕然がくぜんとして四辺あたり環視みまわした。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ト言ったその声が未だ中有ちゅうう徘徊さまよッている内に、フト今年の春向島むこうじま観桜さくらみに往った時のお勢の姿を憶出し、どういう心計つもり蹶然むっくと起上り、キョロキョロと四辺あたり環視みまわして火入ひいれに眼をけたが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)