見巡みまわ)” の例文
何もわきまえん奴だと權六は遠慮を申付けられました、遠慮というのは禁錮おしこめの事ですが、權六ちととも遠慮をしません、相変らず夜々よな/\のそ/\出てお庭を見巡みまわって居りますので
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それゆえ友人に頼み、ついでの時に見巡みまわってもらったが、彼が墓所へ行ったつど、報告してくれるに、いつでもいつでも草はきれいにられ、周囲がすこぶる整然していると。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
わたくしが浮世絵を見て始て芸術的感動に打たれたのは亜米利加アメリカ諸市の美術館を見巡みまわっていた時である。さればわたくしの江戸趣味は米国好事家の後塵こうじんを追うもので、自分の発見ではない。
正宗谷崎両氏の批評に答う (新字新仮名) / 永井荷風(著)