みは)” の例文
いまふさがず、れいみはつて、ひそむべきなやみもげに、ひたひばかりのすぢきざまず、うつくしうやさしまゆびたまゝ、またゝきもしないで、のまゝ見据みすえた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が、美奈子の乗つた九段両国行の電車が、三宅坂に止まつたとき、運転手台の方から、乗つて来る人を見たとき、美奈子は思はずその美しい目をみはつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
が、美奈子の乗った九段両国行の電車が、三宅坂みやけざかに止まったとき、運転手台の方から、乗って来る人を見たとき、美奈子は思わずその美しい目をみはった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
其処に立つてゐたボーイが、彼の面色めんしよくを見ると、おどろいて目をみはつた。それも、無理はなかつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
美奈子が、おどろいて目をみはつたのも、無理ではなかつた。車内へツカ/\と、這入つて来て、彼女の直ぐ斜前へ腰を降ろしたのは、紛れもない、墓地で見た彼の青年であつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
美奈子が、おどろいて目をみはったのも、無理ではなかった。車内へツカ/\と、這入はいって来て、彼女のぐ斜前へ腰を降ろしたのは、まぎれもない、墓地で見たの青年であった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
彼は心の裡で、そうした決心を堅めながら、はげしい勢で、玄関へけ上った。其処そこに立っていたボーイが、彼の面色を見ると、おどろいて目をみはった。それも、無理はなかった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)