“眸中”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぼうちゅう66.7%
ぼうちう33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
久しぶりに青天を見て、やれ嬉しやと思うまもなく、目がくらんで物の色さえ定かには眸中ぼうちゅうに写らぬ先に、白きおのがひらりと三尺のくうを切る。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それをいろどる黄葉こうようの濃淡がまたあざやかな陰影の等差を彼の眸中ぼうちゅうに送り込んだ。しかし眼界のひろい空間に対している津田と違って、清子の方は何の見るものもなかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
日光は直射するが、海より吹く軟風なんぷうのために暑気を感ぜず、好晴のもとに浮ぶあは青靄せいあいの気が眸中ぼうちう山野さんやを春の如く駘蕩たいたうたらしめるのであつた。