“三片(みひら)” の例文
二つ三つまた五つ、灯(ほ)さきは白く立って、却って檐前(のきさき)を舞う雪の二片(ふたひら)三片(みひら)が、薄紅(うすくれない)の蝶に飜(ひるがえ)って、ほんのりと、娘の瞼(まぶた)を暖めるように見える。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
頃(ころ)は春の末(すえ)ということは庭の桜が殆(ほとん)ど散り尽して、色褪(いろあ)せた花弁(はなびら)の未(ま)だ梢(こずえ)に残って居(い)たのが、若葉の際(ひま)からホロ/\と一片(ひとひら)三片(みひら)落つる様(さま)を今も判然(はっきり)と想(おも)いだすことが出来るので知れます。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
一片(ひとひら) 二片(ふたひら) 三片(みひら)……
青白き公園 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
軽(かる)く其(そ)の黒髪(くろかみ)を戦(そよ)がしに来(く)る風(かぜ)もなしに、空(そら)なる桜(さくら)が、はら/\と散(ち)つたが、鳥(とり)も啼(な)かぬ静(しづ)かさに、花片(はなびら)の音(おと)がする……一片(ひとひら)……二片(ふたひら)……三片(みひら)……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)