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排
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ひら
ふりがな文庫
“
排
(
ひら
)” の例文
応接室に通されておよそ十五分ばかりも待ってると、やがて軽い
靴
(
くつ
)
の音が聞えてスウッと
扉
(
ドア
)
を
排
(
ひら
)
いて現れたのは
白皙
(
はくせき
)
無髯
(
むぜん
)
の美少年であった。
美妙斎美妙
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
車外
(
しやぐわい
)
の
猛獸
(
まうじう
)
は、
見
(
み
)
る/\
内
(
うち
)
に
氣色
(
けしき
)
が
變
(
かわ
)
つて
來
(
き
)
た。
隙
(
すき
)
を
覗
(
うかゞ
)
つたる
水兵
(
すいへい
)
は、サツと
出口
(
でぐち
)
の
扉
(
とびら
)
を
排
(
ひら
)
くと、
途端
(
とたん
)
、
稻妻
(
いなづま
)
は、
猛然
(
まうぜん
)
身
(
み
)
を
跳
(
をど
)
らして、
彼方
(
かなた
)
の
岸
(
きし
)
へ
跳上
(
をどりあが
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「飯を、飯を!」と
婢
(
をんな
)
を
叱
(
しつ
)
して、
颯
(
さ
)
と奥の間の
紙門
(
ふすま
)
を
排
(
ひら
)
けば、何ぞ図らん
燈火
(
ともしび
)
の前に人の影在り。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
流鶯
(
りゅうおう
)
啼破
(
ていは
)
す
一簾
(
いちれん
)
の春。書斎に
籠
(
こも
)
っていても春は
分明
(
ぶんみょう
)
に人の心の
扉
(
とびら
)
を
排
(
ひら
)
いて
入込
(
はいりこ
)
むほどになった。
野道
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
時鳥
(
ほとゝぎす
)
の
矢信
(
やぶみ
)
、さゝ
蟹
(
がに
)
の
緋縅
(
ひをどし
)
こそ、
血
(
ち
)
と
紅
(
くれなゐ
)
の
色
(
いろ
)
には
出
(
い
)
づれ、
世
(
よ
)
は
只
(
たゞ
)
暗夜
(
やみ
)
と
侘
(
わび
)
しきに、
烈日
(
れつじつ
)
忽
(
たちま
)
ち
火
(
ひ
)
の
如
(
ごと
)
く、
窓
(
まど
)
を
放
(
はな
)
ち
襖
(
ふすま
)
を
排
(
ひら
)
ける
夕
(
ゆふべ
)
、
紫陽花
(
あぢさゐ
)
の
花
(
はな
)
の
花片
(
はなびら
)
一枚
(
ひとつ
)
づゝ、
雲
(
くも
)
に
星
(
ほし
)
に
映
(
うつ
)
る
折
(
をり
)
よ。
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
一、日ごろは打絶えたる人の花に催されてなど打興じながら柴の戸を
排
(
ひら
)
き入り来りたる。
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
東海道の
上
(
の
)
ぼり
滊車
(
ぎしや
)
、正に大磯駅を発せんとする
刹那
(
せつな
)
、プラットホームに
俄
(
にはか
)
に足音
急
(
いそが
)
はしく、駅長自ら
戦々兢々
(
せん/\きよう/\
)
として、一等室の扉を
排
(
ひら
)
けば、厚き
外套
(
ぐわいたう
)
に身を固めたる一個の老紳士
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
公子 (
衝
(
つ
)
と押す、
闥
(
ドア
)
を
排
(
ひら
)
きて、性急に登場す。
面
(
おも
)
玉のごとく
﨟
(
ろう
)
丈
(
た
)
けたり。黒髪を背に
捌
(
さば
)
く。青地錦の
直垂
(
ひたたれ
)
、
黄金
(
こがね
)
づくりの
剣
(
つるぎ
)
を
佩
(
は
)
く。上段、一階高き床の端に、端然として立つ。)
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
手水場
(
てうづば
)
を
出来
(
いでき
)
し貫一は
腫眶
(
はれまぶた
)
の赤きを
連𥉌
(
しばたた
)
きつつ、羽織の
紐
(
ひも
)
を結びも
敢
(
あ
)
へず、つと客間の
紙門
(
ふすま
)
を
排
(
ひら
)
けば、荒尾は居らず、かの荒尾譲介は居らで、
美
(
うつくし
)
う
装
(
よそほ
)
へる婦人の
独
(
ひと
)
り
羞含
(
はぢがまし
)
う控へたる。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
傍聴席は人の山を成して、被告および関係者水島友は弁護士、
押丁
(
おうてい
)
らとともに差し控えて、判官の着席を待てり。ほどなく正面の戸をさっと
排
(
ひら
)
きて、
躯高
(
たけたか
)
き裁判長は入り来たりぬ。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と答うれば、戸を
排
(
ひら
)
きて、医師とともに、見も知らぬ男
入
(
い
)
り来れり。この男は、
扮装
(
みなり
)
、風俗、
田舎漢
(
いなかもの
)
と見えたるが、
日向
(
ひなた
)
眩
(
まば
)
ゆき
眼色
(
めつき
)
にて、上眼づかいにきょろつく様、
不良
(
よから
)
ぬ
輩
(
やから
)
と思われたり。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
排
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
“排”を含む語句
排他的
排出
按排
排斥
排気
排除
排水量
排水弁
排泄
案排
排擠
排列
排撃
排泄物
排水
排泄作用
排耶蘇
排満興漢
排陥
排泄濠
...