“無髯”の読み方と例文
読み方割合
むぜん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、署長は、白面はくめん無髯むぜんに、金縁眼鏡をかけているというだけの、至って特徴のない好男子の池谷与之助の顔に心の中で唾をはいていた。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
雪白の髪を総髪に結んだ、無髯むぜん童顔の威厳のある顔が、まず弓之助の眼を惹いた。左の眉毛の眉尻に、豌豆ほどの黒子ほくろがあった。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
応接室に通されておよそ十五分ばかりも待ってると、やがて軽いくつの音が聞えてスウッとドアひらいて現れたのは白皙はくせき無髯むぜんの美少年であった。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)