“一簾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いちれん66.7%
ひとかど33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
流鶯りゅうおう啼破ていは一簾いちれんの春。書斎にこもっていても春は分明ぶんみょうに人の心のとびらひらいて入込はいりこむほどになった。
野道 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
すると、一簾いちれんの蔭からさし招くものがあった。たれかとみれば、これも近ごろ勲功の臣として、内裏でも、また外でも、かくれない羽振りの人、千種ちぐさとうノ中将忠顕ただあきだった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれはその増穂のすすきの意味を家族や侍女どもにも講釈して聞かせて、姫が非凡の才女であることを今更のように説明するとと共に、自分もまた一簾ひとかどの物識りであることを暗に説き誇った。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)