ひら)” の例文
二千余町歩の大樹林にて、その内にひらだにとて、熊野植物の模範品多く生ぜる八十町長しという幽谷あり。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
昼は肴屋さかなや店頭みせさき魚骨ぎょこつを求めて、なさけ知らぬ人のしもと追立おいたてられ。或時は村童さとのこらかれて、大路おおじあだし犬と争ひ、或時は撲犬師いぬころしに襲はれて、藪蔭やぶかげに危き命をひらふ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)