“寒山拾得”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんざんじっとく69.2%
かんざんじつとく30.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
青絵というのは、染付そめつけのことで、呉須土ごすどいた南画なんがめいた構図で、よく寒山拾得かんざんじっとくのような人物や山水さんすいなどが、達筆に密画でなく描かれていた。
九谷焼 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
寒山拾得かんざんじっとくの類の、私の姿が、商店の飾窓の硝子ガラスに写る。私の着物は、真赤に見えた。米寿べいじゅの祝いに赤い胴着を着せられた老翁の姿を思い出した。
服装に就いて (新字新仮名) / 太宰治(著)
寒山拾得かんざんじつとくは生きてゐる。永劫えいごふ流転るてんけみしながらも、今日猶この公園の篠懸の落葉を掻いてゐる。
東洋の秋 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
おれはとうの杖を小脇にした儘、気軽く口笛を吹き鳴らして、篠懸の葉ばかりきらびやかな日比谷ひびや公園の門を出た。「寒山拾得かんざんじつとくは生きてゐる」と、口の内に独りつぶやきながら。
東洋の秋 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)