ひら)” の例文
鶴見少年にも思想らしいものが、内からこうひらいてぐんでいる。そこに見られるのは不満の穎割葉かいわればである。かれはいつのまにか生意気になってきた。
征掠せいりゃく、野荒し等に定法あり、規律至って正しく用心極めて深し、その住居は多く懸崖けんがいひらけたる間にあり、牝牡老若の猴の一部族かかる山村より下るに
某大家が即ち其であった。だから、人生を論じ、自然を説いて、微をひらき、幽をひらく頭はあっても、目前で青二才の私が軽蔑しているのが、先生にはついに見えなかったのだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)