“たなごゝろ”の漢字の書き方と例文
語句割合
100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
暖かく柔かな光子のたなごゝろは、とても振り放す事の出来ない魔力を持って居るように軽く私のかいなを捕えて、薄気味の悪い部屋の方へずる/\と引っ張って行き
少年 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
『あゝ。明朝あすのあさまでつのですか。』と武村兵曹たけむらへいそうくちをむくつかせたが、たちまちポンとたなごゝろたゝいて
網代あじろの笠に夕日ゆふひうて立ち去る瀧口入道が後姿うしろすがた頭陀づだの袋に麻衣あさごろも、鐵鉢をたなごゝろさゝげて、八つ目のわらんづ踏みにじる、形は枯木こぼくの如くなれども、いきある間は血もあり涙もあり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)