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掌
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つかさど
ふりがな文庫
“
掌
(
つかさど
)” の例文
僧侶は、相互の契約によって、一切の霊界の仕事を
掌
(
つかさど
)
り、そして俗人はその労働によって国家を富まし人口を繁殖せしめるのである1
人口論:01 第一篇 世界の未開国及び過去の時代における人口に対する妨げについて
(新字新仮名)
/
トマス・ロバート・マルサス
(著)
すなわちオカタ殿のみの
掌
(
つかさど
)
るところであり、誤ってその席を侵したアネ子などは、それだけでも離縁せられるに十分な理由があった。
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
彼らは真髄武士道の新参者と称すべく、その数や多大なり。彼らの中よりして軍隊の将校を出し、また政府の事務を
掌
(
つかさど
)
るの公吏を出す。
武士道の山
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
これより
先
(
さき
)
生田葵山
書肆
(
しょし
)
大学館と相知る。主人岩崎氏を説いて文学雑誌『
活文壇
(
かつぶんだん
)
』を発行せしめ、井上唖々と共に
編輯
(
へんしゅう
)
のことを
掌
(
つかさど
)
りぬ。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
天平
(
てんぴょう
)
四年八月、藤原
宇合
(
うまかい
)
(不比等の子)が
西海道節度使
(
さいかいどうのせつどし
)
(兵馬の政を
掌
(
つかさど
)
る)になって赴任する時、
高橋虫麿
(
たかはしのむしまろ
)
の詠んだものである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
▼ もっと見る
何でも家庭料理を
掌
(
つかさど
)
る人は平生あの分析表を側へ置いてこの食物は何の作用をするからどういう時に食べると承知していなければなりません。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
守隨
(
もりずゐ
)
兵三郎なる者甲府から江戸に入つて、關東八州の
權衡
(
けんかう
)
を
掌
(
つかさど
)
り、後徳川家康の
御朱印
(
ごしゆいん
)
を頂いて東日本三十三ヶ國の秤の管理專賣を一手に
掌握
(
しやうあく
)
し
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
しかるにコムニスト党は務めて国権を拡張し務めて民権を減縮して農工商の諸業をも悉皆国家の自ら
掌
(
つかさど
)
るを良好となす
近時政論考
(新字新仮名)
/
陸羯南
(著)
家々の生活は簡単なもので、
醤油
(
しょうゆ
)
なければ、麦の味噌はすべてのものの調味を
掌
(
つかさど
)
っている。
鰹節
(
かつおぶし
)
などは、世にあることも知るまい、梅干すらない。
白峰の麓
(新字新仮名)
/
大下藤次郎
(著)
高家というのは例の吉良上野介のような役目で、
公家
(
くげ
)
と武家との間に立って両者の交渉を
掌
(
つかさど
)
る職務であるところから、自然
賄賂
(
わいろ
)
を受ける機会も多くなる。
俳句の作りよう
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
あのお方は天下の政務を
掌
(
つかさど
)
る御身として、殿下のお留守を幸いに
驕慢
(
きょうまん
)
の沙汰が多く、日々狂おしい御乱行に
耽
(
ふけ
)
っていらっしゃるとのこと、委細の様子は
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
沼に連接した大きな河の水の調節を
掌
(
つかさど
)
るために出来た閘門は、これから十町ほど下つたところにあるといふことであつた。私達は船頭のあとについて行つた。
ある日の印旛沼
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
武事を
掌
(
つかさど
)
るオオトモ(大伴)氏やモノノベ(物部)氏やはそれについて重要のはたらきをしたのであろう。
建国の事情と万世一系の思想
(新字新仮名)
/
津田左右吉
(著)
我が古代における葬儀のことは、
土師部
(
はじべ
)
の
掌
(
つかさど
)
るところであった。葬儀は穢に触れるものとして、その専業者は自然他から卑しく視られるのはやむをえなかった。
賤民概説
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
寛政八年正月十四日に五十七歳で歿した。時に大湫の歿後十八年で、豊洲は三十九歳になつてゐた。駒石は晩年山村氏のために
邑政
(
いふせい
)
を
掌
(
つかさど
)
つて、頗る治績があつた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
さるを公子の車を誂へ置きたれば、共に醫師の家訪はずやと宣給ふがことわりなれば、隨ひて行きぬ。小く心安げなる家にて、年
長
(
た
)
けたる姉の家政を
掌
(
つかさど
)
れるあり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そうして祭祀を
掌
(
つかさど
)
った。貴族も文字通り貴族であって、主族の下に政治をとり、また武備に従事した。すなわち政治家と武人との族で、僧族に次いで威張っていた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そうなすつたらわたくしが水を
掌
(
つかさど
)
つておりますから、三年の間にきつと兄樣が貧しくなるでしよう。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
浴主は特に
禅刹
(
ぜんさつ
)
で入浴のことを
掌
(
つかさど
)
る役目だからである。しかし由玄はこの通り名で、大
華厳寺八宗兼学
(
けごんじはっしゅうけんがく
)
の学侶のあいだに親しまれている。それほどにこの人は風呂好きである。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
これは適当な人物がなければ、
闕
(
か
)
いたまゝであつた。老中は年寄とも云ひ、譜代の五、六万石から十万石の大名を任じ、一切の政務を執り、大名の取締を
掌
(
つかさど
)
つた。定員は五人である。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
アスビスは野干頭人身、これ野干が墓地に多く人屍を食う故屍を
掌
(
つかさど
)
る神としたのだ。
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
折から彼等の腹心の中臣
習宜阿曾麻呂
(
スゲノアソマロ
)
が大宰府の
主神
(
カンヅカサ
)
となつて九州へ赴任することになつた。主神は大宰府管内の諸祭祀を
掌
(
つかさど
)
る長官で、宇佐八幡一社のカンヌシの如き小役ではなかつた。
道鏡
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
ただちに土方与志を葬儀委員代表に推し、前記の人々が葬儀委員として事務を
掌
(
つかさど
)
ることとなった。二十六日午前十時、築地小劇場に劇場員一同を集めて、青山杉作が以上の経過を報告した。
小山内薫先生劇場葬公文
(新字新仮名)
/
久保栄
(著)
「人の生命は、天が
掌
(
つかさど
)
ってるから、わしの力では、どうすることもできない」
北斗と南斗星
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
願はくは、妾の
掌
(
つかさど
)
れる后宮の事、宜しく
好仇
(
ヨキツマ
)
に授け給ふべし。丹波国に五婦人あり。志
並
(
トモ
)
に貞潔なり。是、丹波道主王の女なり。(〔道主王は、稚日本根子大日々天皇の子(孫)彦坐王の子なり。
水の女
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
この厠についてもちょっと言うが、世子の大便所は引出しの如きものになっていて、籾殻が底に敷いてある。そうして一回一回大便を捨ててしまうので、御下男といって最下等の卒の
掌
(
つかさど
)
る所である。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
だが蜻蛉の場合は、既に神経の運動を
掌
(
つかさど
)
るものを失っているのだ。
首を失った蜻蛉
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
当時長州において藩政の枢機を
掌
(
つかさど
)
る、
周布
(
すふ
)
政之助、
長井雅楽
(
ながいうた
)
の徒、松陰が才を愛せざるにあらず、また彼が心事を諒せざるにあらずといえども、彼が打撃的運動を以て、一藩の大事を破るものとなし
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
今は君静かに
自
(
みずか
)
ら
掌
(
つかさど
)
らす夜の空より
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
家庭料理を
掌
(
つかさど
)
る人は有益なる事柄を知るに随ってこの欄内へ記入しおかるべし。また新聞雑誌に
出
(
い
)
でたるものは切抜きて
貼付
(
はりつ
)
けらるるも可なり。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
また「弁事(十人)ハ公卿諸侯大夫士庶人ヲ以テコレニ
充
(
あ
)
ツ。権弁事モマタコレニ
倣
(
なら
)
フ。内外ノ庶務ヲ受付シ官中ノ庶務ヲ
糺判
(
きゅうはん
)
スルコトヲ
掌
(
つかさど
)
ル。」
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
守随
(
しゅずい
)
兵三郎なる者甲府から江戸に入って、関東八州の
権衡
(
けんこう
)
を
掌
(
つかさど
)
り、のち徳川家康の
御朱印
(
ごしゅいん
)
を頂いて東日本三十三ヶ国の秤の管理専売を一手に
掌握
(
しょうあく
)
し
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
女が酒の醸造を
掌
(
つかさど
)
ったことは、近昔の文学では狂言の「
姥
(
うば
)
が酒」に実例がある。
無頼
(
ぶらい
)
の
甥
(
おい
)
が鬼の面を
被
(
かぶ
)
り、
伯母
(
おば
)
の老女を
脅
(
おど
)
して貯えの酒を飲むのである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
これけだし
祝部
(
はふりべ
)
すなわち神と人との間に立って、霊界との交通を
掌
(
つかさど
)
る能力あるものが、土人すなわち地主側のものの後裔に多く存する事を示したものと解せられる。
憑き物系統に関する民族的研究:その一例として飛騨の牛蒡種
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
「十三日。(五月。)晴。午後微雨。関帝祭祀。安石夫婦来
割烹
(
かつぱうす
)
。」関帝を祭ることは、維新後にも未だ廃せられずにゐた。飯田安石と其妻とが来て庖厨の事を
掌
(
つかさど
)
つた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
(譯者云。古説に三女ありて人生運命の泰否を
掌
(
つかさど
)
る。性命の絲を繰るをクロトと曰ひ、これを撮みたるをラヘシスと曰ひ、これを斷つをアトロポスと曰ふ。姉妹神なり。)
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
浴主は特に
禅刹
(
ぜんさつ
)
で入浴のことを
掌
(
つかさど
)
る役目だからである。しかし由玄はこの通り名で、大
華厳寺八宗兼学
(
けごんじはっしゅうけんがく
)
の学侶のあひだに親しまれてゐる。それほどにこの人は風呂好きである。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
懲役人も犯罪の恐るべきを教ゆる一つの教育家になってしまう。まして善人を賞し悪人を
罵
(
ののし
)
る講釈師、落語家、デロレンなどが教導職と称せられ、下層社会の教育を
掌
(
つかさど
)
った観がある。
教育家の教育
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
折から彼等の腹心の中臣
習宣阿曾麻呂
(
すげのあそまろ
)
が太宰府の
主神
(
かんづかさ
)
となって九州へ
赴任
(
ふにん
)
することになった。主神は太宰府管内の諸祭祀を
掌
(
つかさど
)
る長官で、宇佐八幡一社のカンヌシの如き小役ではなかった。
道鏡
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
代々神祇祭祀を
掌
(
つかさど
)
る家柄であり、物部氏は、代々武将であり、これに反して、蘇我氏は、先祖武内
宿禰
(
すくね
)
以来韓土と交渉を持ち、代々外交を
司
(
つかさど
)
る家柄であつたから、この対立が出て来たのであらう。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
よごとが段々一定の目的を持つた物に限られる様になつてから、元の意義の儘のよごとに近い物ばかりを
掌
(
つかさど
)
り、よごとに関聯した為事を表にする斎部の地位が降つて来る様になつたのも、時勢である。
国文学の発生(第四稿):唱導的方面を中心として
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
曰ク第一局ハ訟ヲ聴キ獄ヲ
鞠
(
きく
)
シ捕亡ヲ督スルコトヲ
掌
(
つかさど
)
ル。曰ク第二局ハ戸口ヲ正シ租税ヲ督シ出納ヲ算シ物産ヲ殖シ廨舎橋梁堤防ヲ修ルコトヲ掌ル。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その権利を
剥奪
(
はくだつ
)
されて後は、江戸の秤座——通四丁目の守随彦太郎独り栄えて、全国の秤を
掌
(
つかさど
)
り、富貴権勢飛ぶ鳥を落す勢いがあったと言われております。
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
君が今読んでくれた料理学校の試験問題の
如
(
ごと
)
き料理人は
勿論
(
もちろん
)
家庭の料理を
掌
(
つかさど
)
る夫人令嬢は
是非
(
ぜひ
)
とも知らねばならん事だが僕にさえまだ判然と解らんことが多い。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
代を重ねて神を代表する任務を
掌
(
つかさど
)
っているうちに、次第にわが始祖をも神と仰いで、時々は主神と混同する場合さえあったのは、言わば日本の固有宗教の一つの癖であった。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
大宝令に宮内省の被管土工司があり、土作瓦埿を
掌
(
つかさど
)
り、これに二十人の泥部がついている。
賤民概説
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
優は無妻になっているので、勝久に説いて師匠を
罷
(
や
)
めさせ、
専
(
もっぱ
)
ら家政を
掌
(
つかさど
)
らせた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
正成の光栄歓喜如何ばかりであつたであらう。御還幸の後、
記録所
(
きろくじよ
)
を再興し、親しく
政
(
まつりごと
)
をみそなはせ給ひ、
雑訴決断所
(
ざつそけつだんしよ
)
を置いて訴訟を決せしめ給ひ、
武者所
(
むしやどころ
)
を設けて、武士の進退を
掌
(
つかさど
)
らしめられた。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
一般にこの語を祭典を
掌
(
つかさど
)
る家に専用させたためか、僅かに八月の節祭の行事に、ニライの大主という霊物が、かの島から渡ってくるという年々のわざおぎが残っていたのみで
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
代々の後藤家は金座の御金改役として、天下の通貨を
掌
(
つかさど
)
り、わけても祖先後藤祐乘の打つた極印に對しては、一種
微妙
(
びめう
)
な鑑定法が、一子相傳的に傳へられて居たといふことです。
銭形平次捕物控:165 桐の極印
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“掌”の意味
《名詞》
(てのひら、たなごころ)手首より先、手の物を掴むときに物と接する面。
(出典:Wiktionary)
掌
常用漢字
中学
部首:⼿
12画
“掌”を含む語句
掌中
合掌
両掌
掌上
職掌
仙人掌
掌握
手掌
鞅掌
熊掌
車掌
掌面
右掌
職掌柄
掌底
掌大
仏掌藷
掌裡
孤掌
平掌
...