トップ
>
藁灰
>
わらばい
ふりがな文庫
“
藁灰
(
わらばい
)” の例文
水も空も秋でなくては出ない
碧
(
あお
)
さを出していた。
赤蜻蛉
(
あかとんぼ
)
が今日は高くにいて
藁灰
(
わらばい
)
のように太陽の
面
(
おも
)
をかすめている。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
火鉢には一塊の炭が燃え尽して、柔らかい白い灰は上の
藁灰
(
わらばい
)
の圧力にたえかねて音もせずに落ち込んでしまった。
凩
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
火鉢には新しい
藁灰
(
わらばい
)
などが入れられて、机の端には
猪口
(
ちょく
)
や
蓋物
(
ふたもの
)
がおかれてあった。笹村は夜が更けると、ほんの三、四杯だけれど、時々酒を飲みたくなるのが癖であった。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
それは冗談らしかったが、ひどく真顔のようでもあった。……しばらく待っているうちに火葬はすっかり終っていた。竈のところへ行ってみると焦げた木片や
藁灰
(
わらばい
)
が白い骨と入混っていた。
死のなかの風景
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
鍋の底と腰を温めてから上の孔より少しずつ上昇するばかりだ。この火鉢へは
藁灰
(
わらばい
)
の上等を沢山入れてあるがこの灰を折々取かえなければならん。中へ用ゆる炭は
極
(
ご
)
く堅い大きなのがよい。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
藁灰
(
わらばい
)
を入れた桶だの、そのほか
秤
(
はかり
)
とか、刃物とか、
硫黄
(
いおう
)
の
塊片
(
かけら
)
とか、なにしろ眼にあまるほど散らかっている。
銀河まつり
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この三者のうちで木材が一番熱を伝え
悪
(
にく
)
いからたとえ内側は焦げるほど熱くなっても外までは熱が届かぬのである。灰には石灰や土灰をも用いるが普通は
藁灰
(
わらばい
)
である。
歳時記新註
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
藁灰
(
わらばい
)
のフカフカした瀬戸物の火鉢に、炭をカンカン起して、ならんで当っていた。お作はいつの間にか、小紋の羽織に着替えていた。が東京にいた時より、顔がいくらか水々している。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
藁
漢検準1級
部首:⾋
17画
灰
常用漢字
小6
部首:⽕
6画
“藁”で始まる語句
藁
藁草履
藁葺
藁屋
藁屑
藁屋根
藁沓
藁束
藁苞
藁人形