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断片
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かけら
ふりがな文庫
“
断片
(
かけら
)” の例文
旧字:
斷片
金では、人の心の愛情の
断片
(
かけら
)
をさへ、買ひ得ないことを告白してゐる。彼は、今自分の非を悟つて、瑠璃子の前に平伏して彼女の愛を哀願してゐる。敵は脆くも、降つたのだ。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
「坊ちゃん、こんな
断片
(
かけら
)
ばかりですけれど、これでも東京へ持って帰ってその道の人に見せると
涎
(
よだれ
)
を流しますよ。『お土産に瓦』は洒落ているでしょう? 舌切雀だ。重いですよ」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
摺木
(
すりこぎ
)
に足が生えたり、
破
(
やぶれ
)
障子が口を開けたり、時ならぬ月が
出
(
い
)
でなどするが、例えば雪の
一片
(
ひとひら
)
ごとに不思議の形があるようなもので、いずれも睡眠に世を隔つ、夜の形の
断片
(
かけら
)
らしい。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
伽羅や沈香は、こちとらの家にある品じゃない——ところで、
鋳掛屋
(
いかけや
)
の権次は空地のどの辺に店を張って仕事をしているんだ。だいたい場所がきまっているだろう、炭の
断片
(
かけら
)
か、
鉄屑
(
かなくず
)
があるはずだ。
銭形平次捕物控:140 五つの命
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
とお歌さんが言った、通というのは、毎日のように此界隈を歩く
狂人
(
きちがい
)
の乞食で、茶碗の
断片
(
かけら
)
でも下駄の棄てたのでも、何でも
彼
(
かん
)
でも手当り次第に拾って懐へ入れる。其れが病気なのだそうだ。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
あれ
丈
(
だけ
)
、
傲岸
(
ごうがん
)
で黄金の万能を、主張していた男が、金で買えない物が、世の中に
儼
(
げん
)
として存在していることを、
潔
(
いさぎよ
)
く認めている。金では、人の心の愛情の
断片
(
かけら
)
をさえ、買い得ないことを告白している。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
“断片”の意味
《名詞》
切れ端。破片。かけら。
(出典:Wiktionary)
断
常用漢字
小5
部首:⽄
11画
片
常用漢字
小6
部首:⽚
4画
“断片”で始まる語句
断片的