かけら)” の例文
せめては此の室の中で窓の隙から日の光の差す辺へでも坐らせて置き度いと思い、手を取って引くと、オヤ其の手に麺麭ぱんかけらを持って居る。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
顔形は極もろい蝋の細工ゆえ、早や床の上で粉微塵に砕けて了った、余は猶も飽き足らず先生の手を振り払って顔形のかけらを粉々に踏み砕いた、先生は呆気に取られ、呆然と見て居たが
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)