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空腹
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くうふく
ふりがな文庫
“
空腹
(
くうふく
)” の例文
二人
(
ふたり
)
は
空腹
(
くうふく
)
と
疲労
(
つかれ
)
のために、もはや
一歩
(
いっぽ
)
も
動
(
うご
)
くことができずに、
沖
(
おき
)
の
方
(
ほう
)
をながめて、ぼんやりと
泣
(
な
)
かんばかりにして
立
(
た
)
っていました。
黒い旗物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
兵營
(
へいえい
)
から
既
(
すで
)
に十
里
(
り
)
に
近
(
ちか
)
い
行程
(
かうてい
)
と、
息詰
(
いきづま
)
るやうに
蒸
(
む
)
し
蒸
(
む
)
しする
夜
(
よる
)
の
空氣
(
くうき
)
と、
眠
(
ねむ
)
たさと
空腹
(
くうふく
)
とに
壓
(
お
)
されて、
兵士達
(
へいしたち
)
は
疲
(
つか
)
れきつてゐた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
わたしは
仲間
(
なかま
)
がこんなにひどい
空腹
(
くうふく
)
に
責
(
せ
)
められているのを見て、そういう運命がわたしの上にも向いて来やしないかとおそれた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
今
(
いま
)
かく
空腹
(
くうふく
)
を
感
(
かん
)
じて
居
(
を
)
る
塲合
(
ばあひ
)
に、あの
魚
(
さかな
)
を一
尾
(
び
)
捕
(
とら
)
へたらどんなに
嬉
(
うれ
)
しからうと
考
(
かんが
)
へたが、
網
(
あみ
)
も
釣道具
(
つりどうぐ
)
も
無
(
な
)
き
身
(
み
)
のたゞ
心
(
こゝろ
)
を
焦
(
いらだ
)
つばかりである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
茶釜
(
ちやがま
)
は
冷
(
さ
)
めて
居
(
ゐ
)
たのである。それ
程
(
ほど
)
に
空腹
(
くうふく
)
を
感
(
かん
)
ぜぬ
彼
(
かれ
)
は
箸
(
はし
)
を
執
(
と
)
るのが
厭
(
いや
)
になつた。
彼
(
かれ
)
は
身體
(
からだ
)
が
非常
(
ひじやう
)
に
冷
(
ひ
)
えて
居
(
ゐ
)
ることを
知
(
し
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
三人目の人に
珈琲
(
コーヒ
)
の半分を遣つて、迫り來る
空腹
(
くうふく
)
に堪へられないで、人知れず泣きながら、
珈琲
(
コーヒ
)
の殘りを呑み込むやうなことが幾度もあつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
『
有
(
あ
)
り
難
(
がた
)
うはござりますが、
不調法
(
ぶてうほふ
)
でござりますし、それに
空腹
(
くうふく
)
を
催
(
もよほ
)
しましたで。‥‥』と、
玄竹
(
げんちく
)
はペコ/\になつた
腹
(
はら
)
を
十徳
(
じつとく
)
の
上
(
うへ
)
から
押
(
おさ
)
へた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
先生は昔の事を考えながら、
夕飯時
(
ゆうめしどき
)
の
空腹
(
くうふく
)
をまぎらすためか、火の消えかかった
置炬燵
(
おきごたつ
)
に
頬杖
(
ほおづえ
)
をつき口から出まかせに
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
きみのおかげで、
寒
(
さむ
)
さからも
空腹
(
くうふく
)
からものがれることができたよ。そのうえ、おちついてたばこをすうことまでできたんだ。まったく
感謝
(
かんしゃ
)
するよ。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
二人は
空腹
(
くうふく
)
を
抱
(
かか
)
えて一生懸命に駈け出した。
幸
(
さいわい
)
に例の貨物自動車は、路面の柔いのに注意してか、ソッと動いている。
地中魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
醫者
(
いしや
)
が
歸
(
かへ
)
つたあとで、
宗助
(
そうすけ
)
は
急
(
きふ
)
に
空腹
(
くうふく
)
になつた。
茶
(
ちや
)
の
間
(
ま
)
へ
出
(
で
)
ると、
先刻
(
さつき
)
掛
(
か
)
けて
置
(
お
)
いた
鐵瓶
(
てつびん
)
がちん/\
沸
(
たぎ
)
つてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一
幕
(
まく
)
にてかへらんとせしに守る者木戸をいださず、
便所
(
べんじよ
)
は寺の
後
(
うしろ
)
にあり、
空腹
(
くうふく
)
ならば
弁当
(
べんたう
)
を
買
(
かひ
)
玉へ、
取次
(
とりつぎ
)
申さんといふ。我のみにあらず、人も又いださず。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「ははア、どうもさっきからきげんがわるいと思ったら、
空腹
(
くうふく
)
のために、ふくれているんだな」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
皆之を
押臥
(
わうぐわ
)
し其上に木葉或は
席
(
むしろ
)
を
布
(
し
)
きて臥床となす、炉を
焚
(
た
)
かんとするに
枯木
(
かれき
)
殆
(
ほとん
)
どなし、立木を
伐倒
(
きりたを
)
して之を
燻
(
くす
)
ふ、火
容易
(
やうゐ
)
に
移
(
うつ
)
らず、
寒気
(
かんき
)
と
空腹
(
くうふく
)
を
忍
(
しの
)
ぶの困難亦甚しと云ふべし
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
遣
(
つか
)
ひ盡しはや一錢も
無
(
なく
)
なりいと
空腹
(
くうふく
)
に成しに
折節
(
をりふし
)
餠屋
(
もちや
)
の
店先
(
みせさき
)
なりしが
彳
(
たゝず
)
みて手の内を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
半時間
(
はんじかん
)
以上
(
いじやう
)
待
(
ま
)
たねば
人車
(
じんしや
)
が
出
(
で
)
ないと
聞
(
き
)
いて
茶屋
(
ちやゝ
)
へ
上
(
あが
)
り
今度
(
こんど
)
は
大
(
おほ
)
ぴらで一
本
(
ぽん
)
命
(
めい
)
じて
空腹
(
くうふく
)
へ
刺身
(
さしみ
)
を
少
(
すこし
)
ばかり
入
(
い
)
れて
見
(
み
)
たが、
惡酒
(
わるざけ
)
なるが
故
(
ゆゑ
)
のみならず
元來
(
ぐわんらい
)
八
度
(
ど
)
以上
(
いじやう
)
の
熱
(
ねつ
)
ある
病人
(
びやうにん
)
、
甘味
(
うま
)
からう
筈
(
はず
)
がない。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
空腹
(
くうふく
)
と心配でまっさきに泣きだしたコトエである。仲間はずれになりたくないばかりに、本の包みを
藪
(
やぶ
)
にかくして出かけたコトエは、船で送りとどけられたときにも、ひとり気がふさいでいた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
空腹
(
くうふく
)
で敏感になつたあいつの
鼻面
(
はなづら
)
が
詩集夏花
(新字旧仮名)
/
伊東静雄
(著)
風
(
かぜ
)
の
吹
(
ふ
)
く、さびしい
村
(
むら
)
の
方
(
ほう
)
へ
男
(
おとこ
)
は
帰
(
かえ
)
っていきました。たとえ、わずかばかりのお
金
(
かね
)
であっても、
空腹
(
くうふく
)
をしのぐことができたのであります。
窓の下を通った男
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
わたしがなにかゆかいな曲をハープでひいたら、きっと
空腹
(
くうふく
)
を忘れることができるかもしれない。わたしたちはみんなひどく弱りきっている。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
彼等
(
かれら
)
は
勞働
(
らうどう
)
から
來
(
く
)
る
空腹
(
くうふく
)
を
意識
(
いしき
)
する
時
(
とき
)
は
一寸
(
いつすん
)
も
動
(
うご
)
くことの
出來
(
でき
)
ない
程
(
ほど
)
俄
(
にはか
)
に
疲勞
(
ひらう
)
を
感
(
かん
)
ずることさへある。
什麽
(
どんな
)
麁末
(
そまつ
)
な
物
(
もの
)
でも
彼等
(
かれら
)
の
口
(
くち
)
には
問題
(
もんだい
)
ではない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
一
幕
(
まく
)
にてかへらんとせしに守る者木戸をいださず、
便所
(
べんじよ
)
は寺の
後
(
うしろ
)
にあり、
空腹
(
くうふく
)
ならば
弁当
(
べんたう
)
を
買
(
かひ
)
玉へ、
取次
(
とりつぎ
)
申さんといふ。我のみにあらず、人も又いださず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
果
(
はて
)
は
艇舷
(
ふなべり
)
の
材木
(
ざいもく
)
でも
打碎
(
うちくだ
)
いて、
粉
(
こ
)
にして
飮
(
の
)
まんかとまで、
馬鹿
(
ばか
)
な
考
(
かんがへ
)
も
起
(
おこ
)
つた
程
(
ほど
)
で、
遂
(
つひ
)
に
日
(
ひ
)
は
暮
(
く
)
れ、
船底
(
ふなぞこ
)
を
枕
(
まくら
)
に
横
(
よこたは
)
つたが、
其
(
その
)
夜
(
よ
)
は
空腹
(
くうふく
)
の
爲
(
ため
)
に
終夜
(
しうや
)
眠
(
ねむ
)
る
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
なかつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
前の日に殆んど何も食べてゐなかつたから
空腹
(
くうふく
)
で殆んど病氣になる程だつたのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
しばらく
待
(
ま
)
ち
合
(
あは
)
せてゐたが、
宗助
(
そうすけ
)
はついに
空腹
(
くうふく
)
だとか
云
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
して、
一寸
(
ちよつと
)
湯
(
ゆ
)
にでも
行
(
い
)
つて、
時間
(
じかん
)
を
延
(
の
)
ばしたらといふ
御米
(
およね
)
の
小六
(
ころく
)
に
對
(
たい
)
する
氣兼
(
きがね
)
に
頓着
(
とんぢやく
)
なく、
食事
(
しよくじ
)
を
始
(
はじ
)
めた。
其時
(
そのとき
)
御米
(
およね
)
は
夫
(
をつと
)
に
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一同はお
浜御殿
(
はまごてん
)
の石垣下まで
漕入
(
こぎい
)
つてから
空腹
(
くうふく
)
を我慢しつゝ水の上の全く暗くなるのを待ち船宿の桟橋へ
上
(
あが
)
るや否や、店に預けて置いた手荷物を奪ふやうに
引掴
(
ひつつか
)
み、めい/\
後
(
あと
)
をも見ず
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
雪
(
ゆき
)
ははげしく
降
(
ふ
)
りだし、寒さと
空腹
(
くうふく
)
はたまらなくぼくをせめたてるんだ。ぼくはただ雪の中からのがれて、
屋根
(
やね
)
の下でゆっくりとやすんで、
腹
(
はら
)
いっぱい食べたいと、そればかり考えていたよ
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
家内の者より初めて承まはり實に驚き入しゆゑ早速
悔
(
くや
)
みに參らんと存じ
旅行
(
りよかう
)
の
儘
(
まゝ
)
草鞋
(
わらぢ
)
も
解
(
とか
)
ず
空腹
(
くうふく
)
に付食事を致し居り候所へ御
捕方
(
とりかた
)
の人々參られ御召捕に相なりし次第にて
勿々
(
なか/\
)
人を殺し金子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
火がなくて、
沖合
(
おきあい
)
へのろしもあげられないとなれば、いやでもとうぶんこの島にこもっている外ない。そうなれば食事のことを考えなければならない。何か
空腹
(
くうふく
)
をみたすような果物かなんかを
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
母犬
(
おやいぬ
)
は、
自分
(
じぶん
)
が、
空腹
(
くうふく
)
を
感
(
かん
)
じているときでも、なにか
食
(
た
)
べ
物
(
もの
)
を
見
(
み
)
つければ、すぐに
子供
(
こども
)
たちのいるところへ
持
(
も
)
ってきました。
森の中の犬ころ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
最初
(
さいしょ
)
はなつかしいバルブレンのおっかあから、それからヴィタリス親方から、わたしは犬とさるといっしょに
空腹
(
くうふく
)
で、みじめなまま
捨
(
す
)
てられた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
彼
(
かれ
)
の
老躯
(
らうく
)
は
日毎
(
ひごと
)
に
空腹
(
くうふく
)
から
來
(
く
)
る
疲勞
(
ひらう
)
を
醫
(
い
)
する
爲
(
ため
)
に
食料
(
しよくれう
)
を
攝取
(
せつしゆ
)
する
僅
(
わづか
)
な
滿足
(
まんぞく
)
が
其
(
そ
)
の
度毎
(
たびごと
)
に
目先
(
めさき
)
の
知
(
し
)
れてる
彼
(
かれ
)
を
拉
(
らつ
)
して
其
(
そ
)
の
行
(
ゆ
)
く
可
(
べ
)
き
處
(
ところ
)
に
導
(
みちび
)
いて
居
(
ゐ
)
るのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
然
(
しか
)
し
此
(
この
)
日
(
ひ
)
は、
無論
(
むろん
)
空腹
(
くうふく
)
の
儘
(
まゝ
)
に
暮
(
く
)
れて、
夜
(
よ
)
は
夢
(
ゆめ
)
の
間
(
ま
)
も、
始終
(
しじう
)
食物
(
しよくもつ
)
の
事
(
こと
)
を
夢
(
ゆめみ
)
て
居
(
を
)
るといふ
次第
(
しだい
)
、
翌日
(
よくじつ
)
になると
苦
(
くるし
)
さは
又
(
また
)
一倍
(
いちばい
)
、
少年
(
せうねん
)
と
二人
(
ふたり
)
で
色
(
いろ
)
青
(
あを
)
ざめて、
顏
(
かほ
)
を
見合
(
みあ
)
はして
居
(
を
)
るばかり
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
お
腹
(
なか
)
が
減
(
へ
)
つてもう氣が遠くなつた私は、味なんぞ考へないで、私の分を一
匙
(
さじ
)
二
匙
(
さじ
)
貪
(
むさぼ
)
り食べたが
空腹
(
くうふく
)
のせつない苦痛が和らいで見ると、實に
不味
(
まづ
)
い食物を手に持つてゐることがはつきりして來た。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
空腹
(
くうふく
)
を感じていると見え
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
地獄
(
ぢごく
)
で
佛
(
ほとけ
)
に
逢
(
あふ
)
たる心地なし世にも
情
(
なさけ
)
あるお
詞
(
ことば
)
かなと悦び
臺所
(
だいどころ
)
へ到りて
空腹
(
くうふく
)
の事ゆゑ急ぎ
食事
(
しよくじ
)
せんものと見れば
何
(
いづ
)
れも五升も入べき
飯櫃
(
めしびつ
)
五ツ
竝
(
なら
)
べたり
飯
(
めし
)
も
焚立
(
たきたて
)
なりければ吉兵衞は大きに
不審
(
ふしん
)
し
此樣子
(
このやうす
)
では
大勢
(
おほぜい
)
の暮しと見えたれども此程の大家に男は
留守
(
るす
)
にもせよ女の五人や三人は
居
(
をる
)
べきに夫と見えぬは
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「おまえ水をかい出すにどのくらいかかるか、
勘定
(
かんじょう
)
していたじゃないか。だがとてもまに合いそうもないぜ。おれたちは
空腹
(
くうふく
)
か
窒息
(
ちっそく
)
で死ぬだろう」
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
ほんとうに、
私
(
わたし
)
が、
悪
(
わる
)
かったのです。いま
自分
(
じぶん
)
が、こうした
境遇
(
きょうぐう
)
になって、
空腹
(
くうふく
)
を
感
(
かん
)
じていますと、よく、あのときのあなたに
同情
(
どうじょう
)
ができるのです。
小ねこはなにを知ったか
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
一
度
(
ど
)
捨
(
す
)
てられて、
苦
(
くる
)
しみを
経験
(
けいけん
)
したねこは、そのときの
怖
(
おそ
)
ろしさと、
頼
(
たよ
)
りなさと、
空腹
(
くうふく
)
のつらさと、
悲
(
かな
)
しさとをいつまでも
忘
(
わす
)
れることができなかった。
小ねこはなにを知ったか
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それにしても、子どもたちの話では、おまえはまた
旅芸人
(
たびげいにん
)
になると言っているそうだが、おまえもう、あの寒さと
空腹
(
くうふく
)
で死にかけたことを
忘
(
わす
)
れたのかえ
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
いままでは、
空腹
(
くうふく
)
ということを
知
(
し
)
らず、お
嬢
(
じょう
)
さんや、
坊
(
ぼっ
)
ちゃんたちにかわいがられていたことを
考
(
かんが
)
えると、それは、どんなに
幸福
(
こうふく
)
なことであったろうか。
小ねこはなにを知ったか
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そしてぼくのすることはそのにえたつのを見るだけだ。ぼくはスープのにおいをかいでいる。だがそれだけだ。スープのにおいでは
腹
(
はら
)
は
張
(
は
)
らない。どうしてよけい
空腹
(
くうふく
)
になる。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
彼女
(
かのじょ
)
は、
子供
(
こども
)
の
無事
(
ぶじ
)
だったのを
喜
(
よろこ
)
び、
持
(
も
)
ってきた
餌
(
えさ
)
を
与
(
あた
)
えました。そして、みずからの
空腹
(
くうふく
)
を
忘
(
わす
)
れたほど
目
(
め
)
を
細
(
ほそ
)
くして、
子供
(
こども
)
の
食
(
た
)
べるのを
見
(
み
)
て
満足
(
まんぞく
)
したのでした。
どこかに生きながら
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
もはや、
彼
(
かれ
)
は、
空腹
(
くうふく
)
を
感
(
かん
)
ずるどころでありません。ただ、うとうととして、
苦痛
(
くつう
)
をこらえて、
目
(
め
)
を
開
(
あ
)
けたり
閉
(
と
)
じたりして、
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
にしがみついているばかりでした。
温泉へ出かけたすずめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
空腹
(
くうふく
)
のねずみは、あぶらげの
香
(
こう
)
ばしいにおいをかいで、
我慢
(
がまん
)
がしきれなかったものでした。ねずみは、そのせまい
金網
(
かなあみ
)
の
中
(
なか
)
で、
夜
(
よる
)
じゅう
出口
(
でぐち
)
をさがしながら、あばれていました。
ねずみの冒険
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
赤
(
あか
)
ん
坊
(
ぼう
)
は、それをどんなに
喜
(
よろこ
)
んでいたでしょう。
母親
(
ははおや
)
が、いまどんなに
疲
(
つか
)
れているか、また
空腹
(
くうふく
)
に
悩
(
なや
)
んでいるか、そんなことも
知
(
し
)
らずに、
無邪気
(
むじゃき
)
につるを
持
(
も
)
って
笑
(
わら
)
っていました。
千羽鶴
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
男
(
おとこ
)
は、
空腹
(
くうふく
)
を
抱
(
かか
)
えながら、
町
(
まち
)
の
中
(
なか
)
をさまよわなければなりませんでした。
窓の下を通った男
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“空腹(
食欲
)”の解説
食欲(しょくよく)とは、空腹(くうふく)として感じられる食物を食べる願望である。睡眠欲及び性欲と並ぶ人間の三大欲求の一つとされる。全ての高等生物に存在し、新陳代謝を維持する為に必要なエネルギーを取り入れるのに役立つ。食欲は、消化管、脂肪組織及び脳の相互作用により調節されている。食欲の調節が正常にできなくなった場合、神経性無食欲症(拒食症)または神経性大食症(過食症)の原因となり、栄養失調や肥満につながる。
(出典:Wikipedia)
空
常用漢字
小1
部首:⽳
8画
腹
常用漢字
小6
部首:⾁
13画
“空”で始まる語句
空
空地
空虚
空想
空洞
空家
空気
空嘯
空手
空蝉