“ひもじさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
空腹66.7%
饑渇33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此時は流石に私も肩の荷を下した様で、ホツと息をして莨に火を移すが、軽い空腹ひもじさと何と云ふ事の無い不満足の情が起つて来るので、大抵一本の莨を吸ひきらぬ中に帰準備かへりじたくをする。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
これな渇きも空腹ひもじさも。
見ればの火も赤々と燃え上る。思はず丑松は立留つた。其時は最早もうひど饑渇ひもじさを感じて居たので、わざ/\蓮華寺迄帰るといふ気は無かつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
あゝ、多くの青年が読んで知るといふ今の世の中に、飽くことを知らない丑松のやうな年頃で、どうして読まず知らずに居ることが出来よう。智識は一種の饑渇ひもじさである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)