饑渇ひもじさ)” の例文
見ればの火も赤々と燃え上る。思はず丑松は立留つた。其時は最早もうひど饑渇ひもじさを感じて居たので、わざ/\蓮華寺迄帰るといふ気は無かつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
あゝ、多くの青年が読んで知るといふ今の世の中に、飽くことを知らない丑松のやうな年頃で、どうして読まず知らずに居ることが出来よう。智識は一種の饑渇ひもじさである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)