“端折(はしを)” の例文
しごきの縮緬(ちりめん)裂いて襷(たすき)凛々敷(りゝしく)あやどり、ぞろりとしたる裳(もすそ)面倒と、クルリ端折(はしを)つてお花の水仕事、兼吉の母は彼方(あちら)向いて竈(へつつひ)の下せゝりつゝあり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「ウンザのケエですよ、——何んとかや、哉(かな)つて、十七文字並べる奴、都々逸(どどいつ)の端折(はしを)つたの」
銭形平次捕物控:167 毒酒 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
其の周圍(まはり)には子供が大勢泣いたり、騷いだり、喧嘩したりしてゐる。さう云ふ狹い横町をば、包を持ち尻を端折(はしを)つた中年の男が幾人も、突當る人の中を急(いそが)しさうに通つて行く。
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風、永井壮吉(著)
その折屋敷の主人(あるじ)は二三人の下男(しもをとこ)を相手に、頬冠(ほゝかむ)りに尻を端折(はしを)つて屋根を這ひ廻つてゐた。
衣服(きもの)を着(き)て帶(おび)を〆(し)めて、やがて尻(しり)を端折(はしを)らうと云(い)ふ頃(ころ)、ふと橋(はし)の上(うへ)を見(み)ると、堅氣(かたぎ)も多(おほ)いが、賣女屋(ばいぢよや)のある小(ちひ)さな宿(やど)、何(なん)となく自墮落(じだらく)の風(ふう)が染(そ)まると見(み)えて、宿中(しゆくぢう)いづれも朝寢(あさね)らしい。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
哀(あは)れ氣(げ)な聲を出して、動(やゝ)もすれば後(おく)れて了(しま)ひさうなお光は、高く着物を端折(はしを)り、絽縮緬(ろちりめん)の長襦袢(ながじゆばん)の派手(はで)な友染模樣(いうぜんもやう)を鮮(あざや)かに現はして、小池に負けぬやうに、土埃(つちぼこり)を蹴立てつゝ歩き出した。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
其角はかう言つて、ぼつぼつ裾を端折(はしを)つて、雪駄(せつた)を脱いで帯に挿(はさ)むだと思ふと