端折はしおり)” の例文
端折はしおりを高くして小長こながい大小を落し差しにしてつか/\と来て物をもいわず花車の片方かた/\の手を一人が押える、一人は前から胸倉を押えた、一人は背後うしろから羽交責はがいぜめに組付こうとしたが
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
よろづに淡々あわ/\しき女子おなごこゝろするやうひとことばに、おもはずくわつ上氣じやうきして、昨日きのふまではうちすてしかみつやらしうむすびあげ、端折はしおりつゞみ取上とりあげてれば、いかう眉毛まゆげえつゞきぬ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
筋金のったる鉢巻を致しまして、無地の眼立たぬ単衣ひとえものに献上の帯をしめて、其の上から上締うわじめを固く致して端折はしおりを高く取りまして、藤四郎吉光の一刀に兼元の差添さしぞえをさし、國俊くにとし合口あいくちを懐に呑み
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
といいながら端折はしおりを高く取りましたので