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端折
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はしよ
ふりがな文庫
“
端折
(
はしよ
)” の例文
金之助は早くも立ち上がつて、主人の部屋の方へ飛んで行き、八五郎はもう一度、尻を
端折
(
はしよ
)
つて、濡れた押入にもぐり込みました。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あれ、まア」と、東北辯の押しつまつた口調で驚きあわてて、裾の
端折
(
はしよ
)
りをおろす。それで、義雄が第一に
穢
(
きたな
)
らしいと思つた白の腰卷きが隱れる。
泡鳴五部作:03 放浪
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
與吉
(
よきち
)
は
近所
(
きんじよ
)
の
子供
(
こども
)
と
能
(
よ
)
く
田圃
(
たんぼ
)
へ
出
(
で
)
た。
暖
(
あたゝ
)
かい
日
(
ひ
)
には
彼
(
かれ
)
は
單衣
(
ひとへ
)
に
換
(
かへ
)
て、
袂
(
たもと
)
を
後
(
うしろ
)
でぎつと
縛
(
しば
)
つたり
尻
(
しり
)
をぐるつと
端折
(
はしよ
)
つたりして
貰
(
もら
)
ふ
間
(
ま
)
も
待遠
(
まちどほ
)
で
跳
(
は
)
ねて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
勤め人らしい男は、小さな子を抱いてゐて、晴着を
着裝
(
きかざ
)
つた女は、裾を
端折
(
はしよ
)
つて傘の柄を苦しげに握つてゐた。
雨
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
おぼろ/\と霞むまで、暑き日の静さは夜半にも増して、眼もあてられざる野の細道を、
十歳
(
とお
)
ばかりの美少年の、尻を
端折
(
はしよ
)
り、竹の子笠被りたるが、
跣足
(
はだし
)
にて
紫陽花
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
彼等は
足許
(
あしもと
)
に埃を舞はせながら白白とした野路を歩き出した。実枝は
日傘
(
ひがさ
)
を
翳
(
かざ
)
した。礼助と兄とは
裾
(
すそ
)
を
端折
(
はしよ
)
つてゐた。礼助はステツキで向う手の山を指しながら云つた。
曠日
(新字旧仮名)
/
佐佐木茂索
(著)
ぢあ、話を
端折
(
はしよ
)
るとしなくつちや。で、その窓を開けると私はづか/\這入つて行つたのです。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
私は裾を
端折
(
はしよ
)
つて
降
(
お
)
り仕度をしながら、いかにも酒ずきらしいこの爺さんに言つた。
梅雨紀行
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
眞鍮は眞鍮と悟つたとき、われ等は制服を捨てゝ
赤裸
(
まるはだか
)
の儘世の中へ飛び出した。子規は血を嘔いて新聞屋となる、余は尻を
端折
(
はしよ
)
つて西國へ出奔する。御互の世は御互に物騷になつた。
京に着ける夕
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
尻
(
しり
)
を
端折
(
はしよ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
膝
(
ひざ
)
の所からダラ/\血が流れて
居
(
を
)
りまする。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「待つてくれ。まさか、お前が殺したわけぢやあるめえ、
端折
(
はしよ
)
つた
裾
(
すそ
)
だけでもおろしてよ、其處へ坐つたらどうだ。まるで逃げ出しさうな恰好ぢやないか」
銭形平次捕物控:307 掏られた遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
おつたは
幾年
(
いくねん
)
か
以前
(
まへ
)
の
仕立
(
したて
)
と
見
(
み
)
える
滅多
(
めつた
)
にない
大形
(
おほがた
)
の
鳴海絞
(
なるみしぼ
)
りの
浴衣
(
ゆかた
)
を
片肌脱
(
かたはだぬぎ
)
にして
左
(
ひだり
)
の
袖口
(
そでぐち
)
がだらりと
膝
(
ひざ
)
の
下
(
した
)
まで
垂
(
た
)
れて
居
(
ゐ
)
る。
裾
(
すそ
)
は
片隅
(
かたすみ
)
を
端折
(
はしよ
)
つて
外
(
そと
)
から
帶
(
おび
)
へ
挾
(
はさ
)
んだ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
と
婀娜
(
あだ
)
たる
聲
(
こゑ
)
、
障子
(
しやうじ
)
を
開
(
あ
)
けて
顏
(
かほ
)
を
出
(
だ
)
した、
水色
(
みづいろ
)
の
唐縮緬
(
たうちりめん
)
を
引裂
(
ひつさ
)
いたまゝの
襷
(
たすき
)
、
玉
(
たま
)
のやうな
腕
(
かひな
)
もあらはに、
蜘蛛
(
くも
)
の
圍
(
ゐ
)
を
絞
(
しぼ
)
つた
浴衣
(
ゆかた
)
、
帶
(
おび
)
は
占
(
し
)
めず、
細紐
(
ほそひも
)
の
態
(
なり
)
で
裾
(
すそ
)
を
端折
(
はしよ
)
つて、
布
(
ぬの
)
の
純白
(
じゆんぱく
)
なのを
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
金之助はフト尻を
端折
(
はしよ
)
りかけましたが、そんなことをするのは、極りが惡かつたものか、女の子のやうに、裾を兩腰の間に挾んで、それでも至つて身輕に押入の中から
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それは
大抵
(
たいてい
)
暖
(
あたゝ
)
かな
日
(
ひ
)
に
限
(
かぎ
)
られて
居
(
ゐ
)
るのであつたが、
其
(
その
)
時
(
とき
)
は
彼
(
かれ
)
の
大
(
おほ
)
きな
躯幹
(
からだ
)
はきりゝと
帶
(
おび
)
を
締
(
し
)
めて、
股引
(
もゝひき
)
の
上
(
うへ
)
に
高
(
たか
)
く
尻
(
しり
)
を
端折
(
はしよ
)
つてまだ
頼母
(
たのも
)
しげにがつしりとして
見
(
み
)
えるのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
端
常用漢字
中学
部首:⽴
14画
折
常用漢字
小4
部首:⼿
7画
“端折”で始まる語句
端折上
端折傘
端折目