呪禁まじない)” の例文
してみて下さい。開きません? ああ、そうね、あなたがなすっては御身分がら……お待ちなさいよ、おつな呪禁まじないがありますから。」
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
マンは信心深く、神仏をよく祭ると同時に、さまざまの呪禁まじないを行うことに長じている。今、マンが奇怪な行動をしたのも、その呪禁の一つだ。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
「買ってやるとも。しかし真珠で候とお呪禁まじないぐらいの小粒は物欲しそうで厭なものさ。拳ほどのがあったら買ってやるよ」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「何? そいつは話が違って来るぜ。とっさんの財布へ五つになる倅の迷子札を入れたのは、何か呪禁まじないにでもなるのかい」
そういうことのない呪禁まじないに、きょうは黄粉の牡丹餅を食ったのであるが、その効のなかったのを人びとは嘆いた。
廿九日の牡丹餅 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しかしまたこれと同時に、この呪という字は「呪文じゅもんを唱える」とか「呪禁まじないをする」とかいったように、「まじない」というふうにも解釈されているのです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
それから約半年、医者に診せたり、いろいろと薬をのませたり、祈祷きとう呪禁まじないまでやってみたが、少しもよくならない。もっとも、ひどく悪化するのでもなかった。
六三の呪禁まじないと言って、身体の痛みをなお祈祷きとうなぞもする。近所での物識ものしりと言われている老農夫である。私はこの人から「言海」のことを聞かれて一寸驚かされた。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
するとどうだっぺね、神様すっかり悦んでしまって、商売繁昌の呪禁まじないしてやっから、あっちの、奥の部屋で、十五分ばかりで済むから、いっしょに酒飲みながら……っち話さ。
沼畔小話集 (新字新仮名) / 犬田卯(著)
だが彼女のそうした気持などは、宮崎は一向に推察しようともせず、絶対安全の呪禁まじないをしてあげると云った。その呪禁というのが、毎日一つずつ人形を買っていってやることだった。
別れの辞 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
お染風という悪性の感冒が江戸中に猖獗しょうけつを極めた折り、「久松留守」と書いた紙を門口に貼り付けて疫病除やくびょうよけの呪禁まじないとすることが流行はやって、ひところは軒並にその紙片かみが見られたが
呪禁まじないに使う品物を(これからその目的に使うんだという料簡りょうけんがあって)手に入れる時には、きっと人の見ていない機会をぬすんでやらなければかないという言い伝えを、郷里くににいた頃
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
……この風態で尾行つけられたのでは紋太郎渋面をつくる筈だ。破れた三度笠を背中に背負い胸に叩きがねを掛けているのは何んの呪禁まじないだか知らないけれど益〻仁態を凄く見せる。それで時々ニタリと笑う。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
歯がゆうてならん、そこの裏の稲荷いなりの狐らしい、暴れて仕方がないので呪禁まじないして貰ったらいくらかおとなしくなった。
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
毎日、新聞の社会記事に目を通しますと、呪禁まじないをやって、とんでもない事をしでかす人の多いことに私どもはあきれるというよりも、むしろ悲しく思うことがあります。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
かあちゃんが自分のことで世間に肩身のせまいおもいをし、自分のためにおそっさまを拝んだり、お呪禁まじないをしたり、いろいろな祈祷師を招いたりするのはわかっていた。
季節のない街 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
今日こんにちでも東京のまん中で、こんな非科学的のお呪禁まじないめいたことが流行するかと思うと、すこぶる不思議にも感じられるのであるが、文明国と称する欧米諸国にも迷信はある。
廿九日の牡丹餅 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しかし乗ってからっと取ろうとすると、何とまあ、お呪禁まじない種玉子たねたまごだというんです
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
彼奴あいつ身体からだのこすりついた処は、そこから焦げねえじゃ治まらんとしてあるんで。へいいたちが鳴いてもお呪禁まじないに、柄杓ひしゃくで三杯流すんですから、おかみさん、さっさと塩花をおきなさいまし。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「なにいうとるの?」呆れたように、そういったが、急に、マンの声も、妙にいたずらっぽくなって、「そんなら、お父さん、ええ痛みめの呪禁まじない、教えてあげようか」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
怪しげな呪禁まじない祈祷いのりをして、助かる病人まで殺してみたり、医者の薬を遠ざけて、ますます病気を悪くしてみたり、盛んに迷信や邪信を鼓吹して、愚夫愚婦を惑わしている
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
「何ですか? お呪禁まじないですか? その帽子を被って顔を洗うというのは」
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「それはなんですか」と五郎さんはいてみた、「なにかの呪禁まじないですか」
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
とんと打入れる発奮はずみをくッて、腰も据らず、仰向あおむけひっくりかえることがある、ええだらしがない、尻から焼火箸やけひばしを刺通して、畳のへり突立つッたててやろう、転ばない呪禁まじないにと、陰では口汚くののしられて
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それが火伏せの呪禁まじないであることを半七は知っていた。
半七捕物帳:56 河豚太鼓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
マンの呪禁まじないの方法は、前に、何度も聞いている。自分の国にも似たような魔術がある。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
「それはなんですか」と五郎さんはいてみた、「なにかの呪禁まじないですか」
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
しかもこのお呪禁まじないを根気好く果してなお配達の間違のないように番地入りの名刺を添えた入念の向き/\が尠からず認められた。斯ういう連中は序に鹿の角細工を買って行くほど気が早いに相違ない。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「あの円い大砲の玉は何のお呪禁まじないだね?」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「これはお呪禁まじないだろう?」
勝ち運負け運 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)