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まじない
ふりがな文庫
“
呪禁
(
まじない
)” の例文
「
圧
(
お
)
してみて下さい。開きません? ああ、そうね、あなたがなすっては御身分がら……お待ちなさいよ、おつな
呪禁
(
まじない
)
がありますから。」
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
マンは信心深く、神仏をよく祭ると同時に、さまざまの
呪禁
(
まじない
)
を行うことに長じている。今、マンが奇怪な行動をしたのも、その呪禁の一つだ。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
「買ってやるとも。しかし真珠で候とお
呪禁
(
まじない
)
ぐらいの小粒は物欲しそうで厭なものさ。拳ほどのがあったら買ってやるよ」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「何? そいつは話が違って来るぜ。
父
(
とっ
)
さんの財布へ五つになる倅の迷子札を入れたのは、何か
呪禁
(
まじない
)
にでもなるのかい」
銭形平次捕物控:051 迷子札
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そういうことのない
呪禁
(
まじない
)
に、きょうは黄粉の牡丹餅を食ったのであるが、その効のなかったのを人びとは嘆いた。
廿九日の牡丹餅
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
しかしまたこれと同時に、この呪という字は「
呪文
(
じゅもん
)
を唱える」とか「
呪禁
(
まじない
)
をする」とかいったように、「まじない」というふうにも解釈されているのです。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
それから約半年、医者に診せたり、いろいろと薬をのませたり、
祈祷
(
きとう
)
や
呪禁
(
まじない
)
までやってみたが、少しもよくならない。
尤
(
もっと
)
も、ひどく悪化するのでもなかった。
赤ひげ診療譚:04 三度目の正直
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
六三の
呪禁
(
まじない
)
と言って、身体の痛みを
癒
(
なお
)
す
祈祷
(
きとう
)
なぞもする。近所での
物識
(
ものしり
)
と言われている老農夫である。私はこの人から「言海」のことを聞かれて一寸驚かされた。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
するとどうだっぺね、神様すっかり悦んでしまって、商売繁昌の
呪禁
(
まじない
)
してやっから、あっちの、奥の部屋で、十五分ばかりで済むから、いっしょに酒飲みながら……っち話さ。
沼畔小話集
(新字新仮名)
/
犬田卯
(著)
だが彼女のそうした気持などは、宮崎は一向に推察しようともせず、絶対安全の
呪禁
(
まじない
)
をしてあげると云った。その呪禁というのが、毎日一つずつ人形を買っていってやることだった。
別れの辞
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
お染風という悪性の感冒が江戸中に
猖獗
(
しょうけつ
)
を極めた折り、「久松留守」と書いた紙を門口に貼り付けて
疫病除
(
やくびょうよ
)
けの
呪禁
(
まじない
)
とすることが
流行
(
はや
)
って、ひところは軒並にその
紙片
(
かみ
)
が見られたが
釘抜藤吉捕物覚書:03 三つの足跡
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
呪禁
(
まじない
)
に使う品物を(これからその目的に使うんだという
料簡
(
りょうけん
)
があって)手に入れる時には、きっと人の見ていない機会を
偸
(
ぬす
)
んでやらなければ
利
(
き
)
かないという言い伝えを、
郷里
(
くに
)
にいた頃
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
……この風態で
尾行
(
つけ
)
られたのでは紋太郎渋面をつくる筈だ。破れた三度笠を背中に背負い胸に叩き
鉦
(
がね
)
を掛けているのは何んの
呪禁
(
まじない
)
だか知らないけれど益〻仁態を凄く見せる。それで時々ニタリと笑う。
大鵬のゆくえ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
歯がゆうてならん、そこの裏の
稲荷
(
いなり
)
の狐らしい、暴れて仕方がないので
呪禁
(
まじない
)
して貰ったらいくらかおとなしくなった。
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
毎日、新聞の社会記事に目を通しますと、
呪禁
(
まじない
)
をやって、とんでもない事をしでかす人の多いことに私どもは
呆
(
あき
)
れるというよりも、むしろ悲しく思うことがあります。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
かあちゃんが自分のことで世間に肩身のせまいおもいをし、自分のためにおそっさまを拝んだり、お
呪禁
(
まじない
)
をしたり、いろいろな祈祷師を招いたりするのはわかっていた。
季節のない街
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
今日
(
こんにち
)
でも東京のまん中で、こんな非科学的のお
呪禁
(
まじない
)
めいたことが流行するかと思うと、すこぶる不思議にも感じられるのであるが、文明国と称する欧米諸国にも迷信はある。
廿九日の牡丹餅
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
しかし乗ってから
窃
(
そ
)
っと取ろうとすると、何とまあ、お
呪禁
(
まじない
)
の
種玉子
(
たねたまご
)
だというんです
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
彼奴
(
あいつ
)
の
身体
(
からだ
)
のこすりついた処は、そこから焦げねえじゃ治まらんとしてあるんで。へい
鼬
(
いたち
)
が鳴いてもお
呪禁
(
まじない
)
に、
柄杓
(
ひしゃく
)
で三杯流すんですから、おかみさん、さっさと塩花をお
撒
(
ま
)
きなさいまし。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「なにいうとるの?」呆れたように、そういったが、急に、マンの声も、妙にいたずらっぽくなって、「そんなら、お父さん、ええ痛み
止
(
ど
)
めの
呪禁
(
まじない
)
、教えてあげようか」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
怪しげな
呪禁
(
まじない
)
や
祈祷
(
いのり
)
をして、助かる病人まで殺してみたり、医者の薬を遠ざけて、ますます病気を悪くしてみたり、盛んに迷信や邪信を鼓吹して、愚夫愚婦を惑わしている
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
「何ですか? お
呪禁
(
まじない
)
ですか? その帽子を被って顔を洗うというのは」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「それはなんですか」と五郎さんは
訊
(
き
)
いてみた、「なにかの
呪禁
(
まじない
)
ですか」
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
とんと打入れる
発奮
(
はずみ
)
をくッて、腰も据らず、
仰向
(
あおむけ
)
に
引
(
ひっ
)
くりかえることがある、ええだらしがない、尻から
焼火箸
(
やけひばし
)
を刺通して、畳の
縁
(
へり
)
に
突立
(
つッた
)
ててやろう、転ばない
呪禁
(
まじない
)
にと、陰では口汚く
詈
(
ののし
)
られて
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それが火伏せの
呪禁
(
まじない
)
であることを半七は知っていた。
半七捕物帳:56 河豚太鼓
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
マンの
呪禁
(
まじない
)
の方法は、前に、何度も聞いている。自分の国にも似たような魔術がある。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
「それはなんですか」と五郎さんは
訊
(
き
)
いてみた、「なにかの
呪禁
(
まじない
)
ですか」
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
しかもこのお
呪禁
(
まじない
)
を根気好く果してなお配達の間違のないように番地入りの名刺を添えた入念の向き/\が尠からず認められた。斯ういう連中は序に鹿の角細工を買って行くほど気が早いに相違ない。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「あの円い大砲の玉は何のお
呪禁
(
まじない
)
だね?」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「これはお
呪禁
(
まじない
)
だろう?」
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
“呪禁”の意味
《名詞》
呪禁(じゅごん)
呪いによりもののけを追い払うこと。
(出典:Wiktionary)
“呪禁”の解説
呪禁(じゅごん)は、道教に由来する術(道術)で、呪文や太刀・杖刀を用いて邪気・獣類を制圧して害を退けるものである。
(出典:Wikipedia)
呪
常用漢字
中学
部首:⼝
8画
禁
常用漢字
小5
部首:⽰
13画
“呪禁”で始まる語句
呪禁師