禁厭まじなひ)” の例文
転んでも死なない禁厭まじなひになるといふところからださうだが、坂の多い其の附近には、瓢箪屋が多かつたが、この三年坂のが中にも大きかつた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
わつちアおめえにりんびやうおこつてもぢきなほ禁厭まじなひをしへてらう、なはを持つてな、ぢきなほらア。主人「はてな…へえゝ。弥「痳病りんびやう尋常じんじやう)になわにかゝれとふのだ。 ...
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
時にその茶店の前に、墨染の法衣も破れた僧形の門附が來て膝まづいて虫齒に惱む口中へ、禁厭まじなひとして、紫玉が曾てさる伯爵に贈られた釵を揷入れてくれと嘆願する。
抵抗てむかひらずはだかにされて、懷中くわいちうものまで剥取はぎとられたうへ親船おやぶね端舟はしけも、をので、ばら/\にくだかれて、帆綱ほづな帆柱ほばしらはなれたくぎは、可忌いまはし禁厭まじなひ可恐おそろし呪詛のろひように、みんなられてしまつたんです。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「いゝえ、何も落せしません。……其の齒痛の禁厭まじなひだけだんがな。」
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
ムヽウ禁厭まじなひかい。弥「疝気せんき小柄こづかぱら(千じゆ小塚原こづかつぱら)とつたらおこりやアがつた、あとから芳蔵よしざうむすめ労症らうしやうだてえから、南瓜たうなす胡麻汁ごまじるへつてえました。長「なんだい、それは。 ...
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
これ禁厭まじなひるのとえます。まどとほしてのやうにひろがります、黒雲くろくもが、じり/\とては、引返ひきかへし、じり/\とては、引返ひきかへし、仙人せんにん波打なみうつやうに、進退かけひきするのがえました。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ハヽヽせまつこいとこ這入はいつてるな……おら手前てめえ禁厭まじなひをしへてやらうか。
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)