“いつき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イツキ
語句割合
斎宮17.1%
14.3%
一揆11.4%
居着8.6%
一基5.7%
五木5.7%
斎姫5.7%
居附2.9%
一奇2.9%
一揮2.9%
一気2.9%
一簀2.9%
一簣2.9%
一騎2.9%
五切2.9%
伊都喜2.9%
居付2.9%
逸気2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
越川斎宮いつきは次席家老でとしは四十歳、家中では毒舌家といわれているが、功兵衛には親切であり、彼がいまの役についたのも斎宮のつよい主張によるものであった。
醜聞 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
平安朝と言った昔は、歴代の内親王ないしんのう一人ひとりは伊勢のいつきみやとなられ、一人は賀茂の斎の宮となられる風習となっていたと聞くことなぞをも語り聞かせた。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
幸に天皇様の御聖徳の深厚なのによつて、大なることには至らなかつたが、盗といふのは皆一揆いつき騒擾さうぜうの気味合の徒で、たゞの物取りといふのとは少し違ふのである。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
一に玄蕃允の“中入なかいりの居着いつき”にありとされてあるが、こう観じてくると、むしろ玄蕃允の失策は、局地的であったに反し、勝家の誤謬ごびゅうは、それ以前に、異体脆弱いたいぜいじゃくなものを、敢えて
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いまほこらぬまむかつてくさいこつた背後うしろに、なぞへに道芝みちしば小高こだかつたちひさなもりまへにある。鳥居とりゐ一基いつきそばおほき棕櫚しゆろが、五かぶまで、一れつならんで、蓬々おどろ/\としたかたちる。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たとえば球磨くま郡の五木いつきでは、終日雨の旅宿でうぐいすの声ばかり聴いて暮したことがあったが、ホケキョと三音に鳴くのは二十回に一度くらいなもので、普通はきまって四声ずつ続けていた。
此方こちらも藤原同様、叔母御が斎姫いつきで、まだそんな年でない、と思うているが、又どんなことで、他流の氏姫が、後を襲うことにならぬとも限らぬ。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
両側はさて軒を並べた居附いつき商人あきんど……大通りの事で、云うまでも無く真中まんなかを電車が通る……
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
対合むかいあった居附いつきの店の電燈瓦斯がす晃々こうこうとした中に、小僧のかげや、帳場の主人、火鉢の前の女房かみさんなどが、絵草子の裏、硝子がらすの中、中でも鮮麗あざやかなのは、軒に飾った紅入友染べにいりゆうぜんの影に、くっきりとあらわれる。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
などゝ面々めん/\は、創立さうりつさいにはこと/″\未見みけんの人であつたのもまた一奇いつきふべきであります
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
吾人は今度の新舞台を以て人生最大の荘厳なる舞台たらしめむ事を期す。吾人の期望にして成らずんば、手に三尺の利剣あり、一揮いつきあにかたからんずる所ならむや。(了)
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
一気いつきに押しゆるぎ来て大きなる七面鳥のひたぶるの振り
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
人の才は猶鉄の如し、鍛錬一たび成ればつひに変ずべからざる乎。そも/\亦修養の工夫くふう一簀いつきに欠かれて半途にして進歩を中挫せしか。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
が私はこゝで、一簣いつきにして止めてはならぬ。
足相撲 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
わめくが、しかし、一騎いつき朝蒐あさがけで、てきのゝしいさましい様子やうすはなく、横歩行よこあるきに、ふら/\して、まへたり、退すさつたり、蹌踉よろめき、独言ひとりごとするのである。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「これへは羊羹やうかんを入れなさい。(室生は何何し給へと云ふ代りに何何しなさいと云ふのである)まん中へちよつと五切いつきればかり、まつ黒い羊羹やうかんを入れなさい。」
野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「ああ、松山さんでしょう。あの体の大きい立派な顔の……二三日前に聞きましたわ。もう少し生きていてもらわんと困るって、伊都喜いつきさんが話していらしたわ」
挿話 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
足を継ぐと云う心是也これなり。太刀一つに足一つずつ踏むは居付いつききわまる也。二つと思わば常に歩む足也。
巌流島 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
南画は胸中の逸気いつきを写せば、他はいて問はないと云ふが、この墨しか着けない松にも、自然は髣髴はうふつと生きてゐはしないか? 油画あぶらゑしんを写すと云ふ。
支那の画 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)