居附いつき)” の例文
両側はさて軒を並べた居附いつき商人あきんど……大通りの事で、云うまでも無く真中まんなかを電車が通る……
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
対合むかいあった居附いつきの店の電燈瓦斯がす晃々こうこうとした中に、小僧のかげや、帳場の主人、火鉢の前の女房かみさんなどが、絵草子の裏、硝子がらすの中、中でも鮮麗あざやかなのは、軒に飾った紅入友染べにいりゆうぜんの影に、くっきりとあらわれる。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)