“ひともと”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒトモト
語句割合
一本82.4%
一幹13.2%
一株2.9%
一基1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
このうるはしき物語たゞちにやみぬ、そは我等路の中央たゞなかに、にほひやはらかくして良きある一本ひともとの木を見たればなり 一三〇—一三二
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
水底みなぞこ水漬みづく白玉となつた郎女の身は、やがて又一幹ひともとの白い珊瑚のである。脚を根とし、手を枝とした水底の木。頭に生ひ靡くのは、もう髪ではなく、藻であつた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
或日の午後におとらが迎いに来たとき、父親も丁度家に居合せて、ここから二三町先にある持地もちじで、三四人の若い者を指図さしずして、可也大きな赤松を一株ひともと、或得意先へ持運ぶべく根拵ねごしらえをしていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
大方はそれが、張出し幕の縫目を漏れてぼうと座敷へ映るのであろう……と思う。欄干下らんかんしたひさしと擦れ擦れな戸外おもてに、蒼白い瓦斯がす一基ひともと大門口おおもんぐちから仲の町にずらりと並んだ中の、一番末の街燈がある。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)