“いっかん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イッカン
語句割合
一貫17.6%
一串17.6%
一管11.8%
一巻5.9%
一幹5.9%
一澗5.9%
一環5.9%
一竿5.9%
一簡5.9%
一観5.9%
一閑5.9%
一関5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
中にも赤褌あかふんどし一貫いっかんで、腕へ桃の刺青いれずみをした村一番の逞ましいのが、真先にあがかまちに立って来て呶鳴どなった。
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しかし従来腥臭なまぐさいために余り魚類を好きませんでしたが、この頃は食味が一変してよくそれを食しています。牛肉は幼年時代から一串いっかんせる嗜好品ですが、鶏肉は余り喜びません。
みるとそこには見知らぬひとりの老人が若者をみつめてたたずんでいた。さぎのようにやせ、さぎのように気品のある老人であった。手には一管いっかんふえをたずさえていた。
おしどり (新字新仮名) / 新美南吉(著)
わかちてからうたに物せし一巻いっかんをもみたりし事あればわが生れたる牛込の里ちかきあたりのけしきもなつかしくこゝにその題を
舞台はいま、うしろにえがいてある一幹いっかん老松ろうしょうのほか、何もない空間となった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仲の悪い二人を一室に会わせて仲が直れば宜いが、却て何かの間違から角立かどだった日には、両虎一澗いっかんに会うので、相搏あいうたんずばまざるの勢である。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
つまりくさり一環いっかんのように、単独にけることは許されない仕組にできていることを、近頃、彼も知ったのである。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丁度ちょうどその頃一竿いっかんを手にして長流に対する味を覚えてから一年かそこらであったので、毎日のように中川なかがわべりへ出かけた。
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
一簡いっかん奉啓上候けいじょうそうろう余寒よかん未難去候得共いまださりがたくそうらえども益々御壮健恐悦至極きょうえつしごく奉存候ぞんじそうろう然者しかれば当屋敷御上おかみ始め重役の銘々少しも異状かわり無之これなく御安意可被下候ごあんいくださるべくそうろうついては昨年九月只今思いだし候ても誠に御気の毒に心得候御尊父を
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
瓦師かわらしは、帰化人の一観いっかんという唐人が担当していた。中国の焼法によるとかいう。その瓦焼の窯場かまばは湖畔にあって、夜も昼も、松薪まつまきのけむりを揚げていた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『まだ御存じはあるまい。こちらは、一閑いっかん殿と申されて、同藩の小山田庄左衛門しょうざえもん殿の御厳父げんぷですよ』
濞かみ浪人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし折角殊勝の世界に眼を着け、一旦それにむかって突進しようと心ざした者共が、此の一関いっかん塞止せきとめられてむを得ずに、躊躇ちゅうちょし、徘徊はいかいし、遂に後退するに至るものが、何程どれほど多いことであろうか。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)